表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
万色無双の役立たず  作者: 士口 十介
学園篇
5/48

判明したスキル

EXP追加補正のLv7と言うのも問題だがそれ以上にライブラリーのLv∞と言うのはかなり厄介なスキルであると想像は出来る。


スキル“ライブラリー”か一応調べてみるかと考えた時に頭の中でその効果が浮かんできた。


“今まで見た本の内容を覚えることのできるスキル。記憶上限数はLvと同じ。”


考えた以上に厄介なスキルのようだ。

しかも、それについて考えただけで情報が得られるようだ。

だが、俺が見たスキルについての本には“ライブラリー”のスキルは無かったと記憶している。

とすれば、このスキルの情報はどこから得られたものなのだろうか?

前世や全前世の記憶には無い。

するとその前?


その他のスキルの情報はどうなのだろうと“EXP追加補正”について考える。


“EXP習得時にEXPがLv%分追加される。最低Lvポイント増加”


これだ!


スキルLvを1から2へ上げる時に、必要なスキルの使用回数は10回と言われている。

だが俺の場合、20回、30回とスキルを使用したがLv2になることは無かった。

だが先ほど、“ステータス”で無色魔法のLvが上がったのはこのスキルが影響しているだろう。

もう少し詳しく調べる為にスキルの項目に注視する。


“ステータス”や“鑑定アナライズ”はその項目を注視することで情報を得られることがある。


“EXP習得時にEXPがLv%分追加される。最低Lvポイント増加”の下に

“記憶継承時に開放。”


“ライブラリー”も同じ様に“記憶継承時に開放。”が追加されていた。

どうやら両方とも転生と関係のあるスキルの様だ。

何かの特典かもしれない。



「ねぇ?なにかあったの?」

腕組みをしながら、しばらく黙っている俺に対してフレデリカが話しかけてくる。

フレデリカやパメラにもこのスキルについて話すべきだろうか?

そうやって思案していると


「おや、無能とハンパ者が一年を口説いているのか?」

と俺やパメラを誹謗する声が聞こえる。


奴の名は“ロドリコ・ロドリゲス”ロドリゲス伯爵の次男、貴族である。

今日も取り巻きの三下連中と一緒に登場だ。

俺が同じ魔法戦士だと知って事あるごとにちょっかいをかけてくる問題人物である。

本人は魔法戦士のスキルを持っている為、俺を目の敵にする。

曰く「平民がレアスキルを持っているのはおかしい、何かごまかしたに違いない」とのこと。


「そこの一年。その無能はスキルがLv1しかない出来損ないだ。

悪いことは言わない、そんな奴に関わらない方が良いぞ。」

それを聞いたフレデリカはむっとした顔で

「ほっといてください。あなたに言われる筋合いはないわ!」

「やれやれ、無知なのも困ったものだね。」


「いいかい、そこの無能は学園にやって来てまだ一度もLvが上がっていない。

聞くところによると十歳のころからLv1のままと言うでは無いか。

そんな者が一年の指導ができるはずが無い。」

「そうですか。お言葉ですが先輩。ヴィンはLv1のままじゃありませんよ。」

それを聞いてこちらを見るロドリコ。


「まぁ、一応、無色魔法のLvが上がった。」

「ふん。上がったと言っても所詮Lv2だろう、そんなLvの呪文、大した効果は・・・」

それを聞いた取り巻きの一人がロドリコの袖を引っ張る。

「ん、なんだ?」

「無色魔法は不味いですよ。」

「?」

「無色魔法のLv2呪文は“鑑定アナライズ”ですよ。」

「ちっ!」

それを聞いてロドリコは舌打ちをする。


「よかったな。無能。何なら俺様のために働くなら雇ってやってもいいぞ。」

全くどこまでも失礼な奴である。

だが、“鑑定アナライズ”の有用性は知っているみたいだ。

無色魔法の系統自体、スキルに持つものは少なく、Lv2呪文である“鑑定アナライズ”が使えるだけで仕事は出来るほどなのだ。


「遠慮しとくよ。だが“鑑定アナライズ”が必要だったら、10割増しで受けてやるぞ。」

「無能がすこしLv が上がったくらいでいい気になりおって・・・。」

ロドリコの言葉は少し怒気をはらんでいた。



「おい!そこ何をしている!」

流石に学園内の通路でにらみ合いをしていると、教師の目に留まるようだ。


「ち、覚えていろよ!」

「「覚えていろよ!」」

ロドリコと三下連中は捨て台詞を残し去っていった。


「ふむ。ヴィンフリートは相変わらずロドリコに絡まれているな。」

この人は俺のクラス担任である“マーリア・ラッセ”である。

面倒見がいいのでそれなりの人気のある教師の一人だ。

「ロドリコも困ったものだが、お前も突っかかるからな。」

「すみません。お手数を掛けます。」

「まあいい。この後は授業はない。気を付けて帰れよ。」


そう言うとマーリア先生は去っていった。

どうやら、ロドリコが絡んでくるのを止める為だけに来たようだ。

毎度のことながら助かっている。



この際、判明したスキルを伝えるべきだろう。

だがここではまずい。


「二人ともこの後時間があるなら俺の部屋に来ないか?」


評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ