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部員一人目
愛実は最初は俺の話に困惑していた。
しかし、俺は知っている。
彼女の歌声は素晴らしいということを。
低音パートも高音パートも難なく歌えるという点が俺のバンド構想に
フィットしており喉から手が出るほどほしい人材だ。
なかなか彼女の返事が得れなかったので、
物で釣ることにした。
彼女が好きなバンドのサイン入りポスターをプレゼントする交換条件で
入ってもらうことにした。
なぜ俺がサイン入りポスターを持っているかって?
なぜならそのバンドのボーカルは俺の親父の弟、つまりおじだからだ。
まさか、こんなので釣れるとは思っていなかった。
しかし、釣れた。
チョロインだなと思った。