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7話 自衛隊での合宿

森谷詩織を森谷結衣に変更しました。

静久と詩織がにちゃってますので、変更させていただきました。



 静久





 ついに合宿の日となり、私は先輩と共に自衛隊の基地へとやって来ました。見送りはいらないと言われましたが、そういう訳にはまいりません。


「じゃあ、ここまでだな」

「はい。気を付けていってきてくださいね。それと出来る限り、連絡をください」

「ああ、わかっているよ」

「絶対に戻ってきてください」

「もちろんだ。静久も家の事を頼むぞ」

「はい」


 先輩がいう家の事は迷宮も含まれています。先輩が居なくなって寂しいですが、ヴォルフとセラも居ますから、耐えられます。それに呼んだら妹達も直ぐにきてくれるでしょうし。


「先輩、しゃがんでください」

「ん?」


 しゃがんできた先輩の頭を掴んで引き寄せ、キスをします。


「おまじないです。いってらっしゃい」

「ああ、行って来る」


 先輩は私の頭にある帽子ごと撫でてきます。


「わっぷ」

「じゃあね」


 先輩が基地の中に通行許可書を提示して、中に入っていくまで見送ります。先輩が居なくなった後は、近くの駅まで歩いていきます。

 ヴォルフでも連れて来たら良かったかも知れません。でも、そうなると電車に乗れないんですよね。

 歩いていると喉が渇いたので、自販機で背伸びしてお金を入れて購入します。ペットボトルを取り出してお茶を飲んでいきます。


「ちょっと君、いいかな?」


 男性の声が聞こえて振り返ります。普通ならナンパを心配するんでしょうが、この場所からそんな事はあり得ません。


「学校はどうしたんだい?」


 それは青い制服をきたポリスさんです。それはそうです。この自販機は交番の前にあるからです。ちなみに私の服装はTシャツに短パンに帽子です。


「君は小学生だろ?」

「違います」


 ため息をつきながら、腰のポシェットからパスポートを取り出します。おそらく、帽子のせいで髪の毛が見えていないのかも知れません。取り敢えず、渡すと驚いていました。


「うそ、だろ……あっ、申し訳ない」

「いえ、慣れてますから」


 パスポートを返して貰って、ポシェットに直します。ついでに一つ思い付いた事があるので聞きましょう。


「あの、質問なんですかここに戻るのは……」

「それでしたら……」


 電車を使わずに走って帰るルートを教えて貰いました。というのも、走って帰る為です。ついでに観光値や山を通っていくルートを選択して身体に負荷をかける事にしました。どうせ朝が早いのですから問題ありません。おそらく、100キロだと思いますが、問題ないでしょう。昔はやっていましたし、今の体調は前よりも断然にいいですから。しかし、しっかりと準備運動をしておきましょう。







 ※※※ 柊孝二





 静久と別れた俺は案内に従って会議室なような場所に通された。この部屋で開始まで待つようだ。適当な席につくと、机の上に置かれている本が目に入った。取り敢えず、それを読んでいく。

 そんな事をしていると、他の人もどんどん増えてくる。しかし、それよりもこの本が気にかかる。分厚い本この本には魔物の情報が乗っている。そこで、家にある迷宮から出て来る魔物が乗っているか探した。

 乗っていたの魔物の名前は食虫植物の庚申草(コウシンソウ)。そして、出現した巨大なひまわりの魔物。こちらは天井に生息している太陽花(サンフラワー)だった。他にもモグラもいる。

 これが主に判明している魔物だ。植物系タイプは基本的に動かないので、相手の射程外から攻撃するのがセオリーのようだ。そんな事より、この太陽花の事だ。

 太陽花。天井に生えているものと同じだが、それを更に巨大化したものらしい。なにより、その特徴は植物の種を弾幕のように種を吐き出してくる物だ。その種が命中すると、種から蔦が伸びて身体を拘束していくらしい。さらに締め付けてくるだけではなく、生命力を吸収して成長していくそうだ。そして、地面についたら即座に芽吹いたらコウシンソウが育って近くの敵を攻撃していく。

 なんていうか、殺意が高すぎる。ソロで捕まったらまず助からない。焼き払って正解だな。というか、更に続きがあった。

 太陽花は一定時間経つと、天井にある小さな太陽花が光線を放ってくるらしい。しかし、俺達の所はそうはなっていない。おそらく、それは焼き払っている事が原因だろう。なんせ、小さい太陽花は煙や一酸化炭素、二酸化炭素を一生懸命に吸ってくれているのだ。それで容量オーバーしたんだろう。そして、なにより、出現してから時間が経つと巨大な太陽花も特大の光線を放ってくるそうだ。

 さて、この太陽花の大小が放つ光線は火力が高く戦車の装甲をいともたやすく切断したそうだ。

 ちなみに太陽花が出て来る迷宮は巨大で、戦車で乗り込む事も出来るそうだ。なので自衛隊は戦車や装甲車を持ち出して攻略していると乗っていた。そこで大量の素材を纏めて回収しているようだ。

 しかし、太陽花の戦闘力がかなりやばい。迷宮としては上位の方に入るのかも知れないな。


「兄さん、見つけた」


 本を読んでいると、急に後ろから抱き着かれた。後ろを振り返ると、隣に住んでいる妹分である森谷結衣が居た。


「なんでここに?」

「ん、調べた」

「え?」

「違う。面白嘘だから、参加した」


 こいつ、もしかして家にアレを仕込んだりしているのだろうか……ありえそうだ。

 そんな事を考えていると、隣の席に座ってきた。といつめようとしたが、直に前の扉が開いて自衛官の服を着た人達が入って来た。部屋には既に参加者でうまっている。何人かはオタクのような人も居る。


「はじめまして。今回、貴女方の教官となる自衛官の四ノ宮永治准尉です。こちらは近藤恵曹長です。私は主に座学を担当します」

「よろしくお願いします。私の部隊が皆さんの迷宮での護衛と教導を務めさせていただきます」


 そう言ったのは前にある壇上に上がった男性と女性の自衛官だ。女性の方は何故か刀を持っている。


「さて、まずは説明ですが……大前提として誓約書にサインをお願いします。我々も最善をつくしますが、もしもの場合死んでしまう場合がございます。その為、覚悟が出来ていない方はここで帰っていただいて構いません。また、この誓約書をサインすると非常勤の自衛官として扱われます。その為、給料も支給されます。また、希望すれば免許の習得も可能です」

「誓約書を配りますね」


 直ぐに配られた誓約書の内容を読んでいく。内容は今回の事で死んでも責任を取らないという事。また、多少の見舞金は支払われる事。こちらは写真など施設の録画が禁止。また、得た機密情報は外部に漏らしてはならない。なのでサインする。


「結衣はいいのか?」

「ん、問題ない」


 結衣の方もあっさりとサインした。その後、迷宮についての説明が開始された。


「では、迷宮について判明している事をお伝えします。まず、魔物が存在する事です。皆さんの机の上にある本に乗せている魔物は全て実在しています。ゲームで有名なゴブリンやオーク、はては恐竜の存在も確認しております。特徴としては千差万別ですが、全てに共通している事として私達人類に襲い掛かってきます」


 これは大前提だろう。家のも同じだった。直に襲われる。


「危険な生物なのは変わりませんが、一番の問題はゴブリンとオークです。これらは女性を執拗に狙って、誘拐する事が判明しています」

「女性を使って繁殖する事が判明しています。つまり、女の敵です。見つけ次第根絶やしにしてくださいね。それと女性の方は特に気を付けてください」

「まあ、ゴブリンはともかくオークの肉は食べられる上に美味しい事が判明しています。自衛隊ではこのオークを主に狩っています」

「あいつら、馬鹿ですから囮を使えば集団でも楽勝ですよ~」

「それは貴女だけです。恐竜に関してはティラノサウルスやトリケラトプスが確認されていますが、他にも居ると思うので探索する場合はカメラを持って行ってください。新しいモンスターの情報は高く政府が買い取りますので」


 どうやら、近藤さんは相当強いようだ。オークの集団を虐殺できるくらいには強いのだろう。


「それと皆さんにはその図鑑に載っている魔物の情報を全てとはいいませんが、これから向かう所に出現する物に関しては覚えて頂きます。もちろん、テストを行いますので、不十分の方は居残りです」

「生死が関わっていますので、しっかりと覚えてくださいね。馬鹿な事をしちゃうとあっさりと死んじゃいますから。これは殉職者を出してでも集めた貴重な情報なので無駄にしないでください」


 全員が息を飲む。実際に迷宮で死亡した自衛官は多いそうだ。最初は一切の情報がなかったのだから、仕方のない事だろうが。


「ああ、最初の頃よりは死ななくなっているのでご安心ください」

「その根拠はあるんですか?」

「当然です。まず、迷宮のシステムがわかりました」

「システム?」

「はい。迷宮には人を強化するシステムが存在しています。それは一人に一つだけ特殊な力を与えてくれ、更には運動能力を強化してくれるものです。まずはこれを見て頂きましょう。近藤曹長」

「はい」


 直に鉄の塊が台車に乗せられて運び込まれてくる。そして彼女が日本刀を構える。


「まさか、斬るのか?」


 彼女の手が霞んで見えると、次の瞬間には斜めに綺麗に切断されていた。いや、斜めだけじゃない。無数の線が走って粉々に斬られた。


「凄い……」

「そうだな」


 全員が見守る中、近藤さんはこちらに振り向いて一例する。


「彼女の能力は加速とよばれる力です。その名の通り、素早く動いたりといった速度を操ります。速度=威力と言われる事もあるように肉体さえもてば凄まじい力を発揮します。彼女の場合、ガトリングガンによる銃弾の雨を正面から避けて戦車を切断する事が可能です。時速いくらまで出せました?」

「知りませんよ。はかってないですから」

「まあ、そんな風にはっきり言って化け物です」

「ひどっ⁉」

「まあ、彼女は自衛隊の中でもトップクラスの実力者なので、皆さんの安全はある程度保証します」

「いう事を聞かない人は斬り捨てますからね~」

「「「っ!?」」」

「これは冗談でもなんでもありません。あちらでいう事を聞かない人のせいで隊全体を危険にさらす訳にはいきませんので」


 確かに言っている事はわかるが、正気か? 隣の結衣も怖いのか俺の服を掴んで震えている。取り敢えず、安心させる為に撫でてやる。


「ああ、安心してください。ちゃんと言う事を聞いてくれるいい人達はちゃんと守りますよ。皆さんを案内する場所は私が一人で楽勝な範囲ですから」

「そういう事です。それと能力についてもうちょっと説明しますので、しっかりと聞いてください」


 全員がメモを取る用意をする。


「能力の付与の前に器を作る必要があります。これは入口にある水晶に触れれば自動的に作られます」


 やばい、これって入った事があるのばれるんじゃないか? 俺には既に器が作られている訳だし。


「その器に魔物を倒したら、彼らが持つ力の一部が取り込まれます。その力を使って運動能力を強化したり、特殊な力を与えて貰ったりするのです。能力の習得方法は水晶に触れて能力を欲しいと思い浮かべる事です」


 おかしいな。そんな簡単なら俺達は既に習得しているはずだが……取り敢えず、聞いてみるか。


「すいません、その能力とは新しい迷宮でも貰えるのですか?」

「もちろんです。ただし、供物を水晶に捧げねばなりません。それと得られる能力は迷宮の等級によっても変わります」

「この本に乗っている太陽花みたいなのが出るところは?」

「ああ、あれですか……近藤さん」

「アレはやばいよ。広いボス部屋だったけど雑魚戦で時間をかけ過ぎたせいか、レーザーの嵐で私や一部の人達以外は使い物にならなかったしね。一瞬で戦車が溶けた時はこれ、死んだと思ったね。えっと、あれの等級だったね。確か、スサノオだったから、一級かな。いや、二等級にもいたような……まあ、どちらにしろ上級ですね」


 あんなのが初っ端から出るとやばいんだろうな。


「ちなみに一等級は神々の名前がついています。我々が見つけたのはスサノオやツクヨミです。これらは迷宮の水晶に名が刻まれております。といっても、水晶に表示と言わねばなりませんが。ああ、それで能力ですが……等級によっても得られる力は変わっていきます。もちろん、気に喰わなければ習得しなくても構いません。その場合は供物をまた捧げないといけません」


 これはつまり、錬金術を手に入れるチャンスでもあるんだな。簡単にいえばリセマラが出来るって事だな。それはつまり、供物を大量に用意しないといけないな。


「では、次にサバイバル技術を教えたいと思います。ですが、その前に各種測定をしましょう。部屋に案内しますので、荷物を置いてから各種測定を行います」

「案内します。こちらについてきてください」


 案内された部屋は二人部屋で、好きな部屋を選んでいいらしい。そんな訳で、適当に近くに入った。


「それなりに広いな」

「ん、広い」

「……なんでいる?」


 振り返ると同じ部屋に結衣も入って来て居た。結衣はそのまま、ベッドに上がって荷物を置いていく。


「好きに選んでいいって。一人、不安」

「……まあいいか」


 荷物を片付けていると少しして自衛官の人がやって来た。


「携帯やカメラを回収させて頂きます。重要施設の為にご理解ください」

「あ、電話とかはできますか? 出来る限り毎日、連絡をいれるように言われているのですが」

「そちらは公衆電話が設置されていますのでそちらでお願いします」

「わかりました」


 携帯を渡していく。結衣も渡していく。それから、次の予定を渡される。その為に移動して体力測定などを行っていく。その後、食事をしてから服の試着などを行っていく。それが終ればサバイバル実習だった。


「いいですか、迷宮ではサバイバル技能は必須項目です。迷宮内で食事を確保する為には絶対に必須技能です」


 厳しい訓練が始まった。それが終れば銃器の取り扱いだった。


「次第に銃器類は効かなくなりますが、最初の内は有効です」

「効かないのですか?」

「火力が足りなくなってきますからね。ですが、ガンナーや狙撃などの能力を持つ者が撃つ場合は違います。彼等が行う銃撃は威力が桁違いに上昇します。小型拳銃から放つ弾丸がロケットランチャー以上の威力になりますので」


 それは確かに火力がおかしくなっている。しかし、それぐらいは必要なのだろう。しかし、銃を撃てるのはいいものだ。






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