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6話 



 現在、俺は父さんの店に静久と共に来ている。静久は母さんと奥へと行ってしまった。そもそも、今日は静久が呼ばれたので、俺は父さんと話しをする。


「これが発見した物か」

「肌につけたり、食べたりしても問題ないか調べてくれ」

「わかった。しかし、効果を考えると売れそうだ」


 発見した魔法水と魔法のクリームだが、父さんに任せる事にした。父さん達が伝手を使って問題無いか調べてくれるだろう。


「しかし、名前は変えた方がいいな」

「その辺は任せる」

「わかった。それで、話は変わるが……静久ちゃんとはどうだね?」

「順調だけど?」

「そうか。なら、早く子供を頼むぞ。彼女の身体的にきついかも知れないが……母さんも待ちわびているんだ」

「わかっているんだがな……」


 そんな話をしていると、部屋の中に母さんと静久が入ってきた。しかし、静久の恰好がまた凄かった。さらさらと流れる綺麗な銀色のセミロングな髪の毛に、シニョンキャップを二つつけられている。服装は赤色のチャイナドレスで、スリットも入っている。そのスリットの部分からは綺麗な肌が覗いている。


「ど、どうですか?」


 静久は顔を真っ赤にして服の裾を掴みながら、スリットの部分を隠しながらこちらに感想を聞いてくる。


「似合っているよ」

「よ、良かったです」


 近付いて来た静久を抱きしめて撫でていく。


「それで、母さん。これはどういう事なんだ?」

「いや、今日から知り合いの店でフェアをするのよ。その手伝いに人が足りないから貸してくれって頼まれたのよ」

「静久はいいのか?」

「は、はい……そっ、その、下着を履かないのは恥ずかしいですけど、多分大丈夫です……」


 確か、ラインを綺麗に見せるために履かないんだったかな? いや、それは和服か。


「まあ、下着は紐のならつけてもいいらしいけれどね」

「それを早く言ってくださいっ!」

「あっ」


 静久は即座に腕から抜け出して、奥へと消えていった。


「あらあら。ところで、あの服はどうだった?」

「それはよかったが……」

「そう。じゃあ、予定通りに2,3着貰いましょうか」

「いいのかな?」

「はやく孫娘の顔がみたいからね。静久ちゃんにも発破をかけといたからねえ」

「それは……」

「アンタ、自衛隊の合宿に参加するんだろ? 死んじゃうかも知れないんだから、せめて子供だけはって思うのが当然ってもんだよ。残される者の事を考えるとね。それに私はいまでも、反対なんだけど」


 ジロリと父さんを睨む母さん。父さんはそっぽを向いて知らないふりだ。


「まあ、わかったよ」

「頼むわよ。それで、そっちはどうするの?」

「時間がしばらく空くなら、一旦帰るかな」

「それなら、これの量産を頼む。必要な器具も発注しておくから、いってくれ」

「わかった」


 それから、必要な器具などを発注していく。それが終ればホームセンターで木材を購入して、迷宮内で投石器や椅子などを作っていく。





 ※※※





 時間になり、静久を迎えに教えて貰った店にやって来た。静久は店の中で、ウエイトレスとして働いているようだ。今も手にお盆に乗せた蒸籠を持って動き回っている。

 もう少し時間がかかりそうなので店に入って待つ事にする。直ぐに静久も気付いてくれたが、流石に仕事中なので個室の部屋に案内だけしてくれた。


「先輩、少し待っていてください。もうすぐ終わるので」

「わかった。何か頼んで待ってるよ」

「はい」


 それから適当に注文して、静久が帰ってくるのを待つ。少し時間が経つと注文した料理を静久が持って来てくれた。そして、料理を置いていくとそのまま部屋に入って来た。よく見ると服が入っている袋も持っている。


「どうした?」

「このまま帰っていいそうです」

「着替えてくるか?」

「そうですね。もう少し待っていてください」

「ああ、ゆっくりしていていいからな」

「先輩も先に食べていていいですからね」


 静久がそう言って出て行くが、食べる準備だけして待つ。数分後、帰ってきた静久と一緒に食事を開始する。どことなく、嬉しそうなので待ったかいがあった。


「先輩、お願いが有るんですが……」

「なんだ?」

「この後、ホテルにいきませんか?」

「それは……そういう事か?」

「はっ、はい……その、子供が欲しいです。それに先輩はいっちゃいますから……もしもの事を考えると不安で……」

「わかった。だけど、辛いぞ」

「もちろん、理解しています。明日、産婦人科にもいって見て貰いますから、先輩は気にしないでください」


 そこまで覚悟が出来ているのなら、問題ないか。それにやりたいのはこっちも同じだ。後は念の為に精子や卵子の保存とかもして置いた方がいいかも知れない。


「じゃあ、帰りはホテルにいくか」

「はい。あっ、服装はチャイナドレスがいいですか?」

「ぜひ、それで」

「えっちです」

「否定はしない」


 その後、ホテルにいって静久と一晩を過ごした。翌日、足が震えてまともに立てなくなった静久を産婦人科につれていった。流石に負担が大きかったようで一部が裂けたようだ。しばらくはしないように言われて、薬を貰った。その時に子供を産むなら帝王切開の覚悟もしておくようにと言われた。これは静久の身体では仕方ないだろう。それと余談だが、通報されそうになったのはアレだ。


 その後、精子と卵子を取り出して保存して貰う事にした。それが終れば家に戻って、迷宮に入る。迷宮では静久は安静にしていないと駄目なので、入口の近くにある椅子に座らせて、近くにヴォルフとセラに居て貰う。本当は家にいてほしかったのだが、一緒に居たいと言われたら仕方ない。

 静久に見守られながら、投石器を増やしたりしていく。それと並行して組み立て式のハンモックなどアウトドア用品を設置して、居住性を高めていく。





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