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18話 なずなの検査

こちらも再開です。




 なずなちゃんをベッドに寝かせて手足を確認させてもらう。触れた手足は細くて柔らかくて温かい。それはまるで人のと同じだった。しかし、重量は違った。骨格や筋肉繊維などは全て不思議な金属で作られている。血液を抜かせてもらったが、そちらは普通に血液だった。ただしオークのせいか、媚薬の成分が検出されている。基本的に一部の違いはあるが人としての機能がちゃんとあったので、オークの媚薬も有効になっているようだ。子供自体は作れないようだが。


「疑問。どうですか?」

「通常の状態では体重が重いくらいで外側はほぼ人と変わらないようだ」

「解答。良かったと安堵します」

「そうだな。それで内部はどうなっている?」

「解答。ステータス画面などがあり、常に機体の状態を確認できます」

「機体か」

「肯定。表示では機体となっています」


 どうやら、脳の一部も機械でできているかもしれない。解析できたら便利かもしれない。だが、まずは内部からじゃなくて手足からだな。


「次は戦闘モードで頼む」

「了解。戦闘モードにシフトします」


 なずなの身体が変化して人の腕や足だったのが不思議な金属で出来た機械の物へと変わっていた。軽く叩いても硬いものだと思われる。


「痛いか?」

「否定。痛覚は戦闘モードではありません」

「痛覚がないなら気を付けろよ。本来なら止まるところを痛覚が教えてくれるから致命的なことになる」

「理解。マスターの言われた通り、常にモニタリングしておく」

「それがいい。それと整備に必要そうな物はあるか?」

「不明。調べてみます」


 錬金術を使ってこちらも調べていこう。特に材質とかはこちらの技術で解析しないといけない。おそらくダンジョンから出るものだろうが、地上の鉱石と確認しないといけない。


「どうだった?」

「解答。もうしばらくかかります」

「そうか。それで悪いんだが、少し身体を削っていいか?」

「肯定。どうぞ」

「悪いな」


 足の装甲の一部をナイフで削る。いや、削ろうとしたが逆にナイフの刃が欠けた。まあ、予想していたことだがこれじゃあなずなを長時間拘束して調べるしかない。


「マスター」

「どうした? それとマスターはやめてほしい」

「マスターはマスターです。それとマニュアルがみつかりました」

「ほう、それはどんなのだ?」

「解答。提出しますか?」

「頼む」

「了解」


 なずなちゃんがパソコンにデータを送ってくれるが、読み取り不可だった。容量が一瞬で消費された上にCPUの異常な稼働で煙を吐いて壊れた。


「困惑。マスター、ごめんなさい」

「いや、いい。悪いが手書きで頼む。整備しないといけないからな」

「了解。頑張ります」


 さて、俺は俺でやらなくてはいけないことがある。赤外線装置とか工作機械とか欲しい物がいっぱいある。それを買うためには手続きをしないといけない。自衛隊を経由して手に入れられるので、問題ない。ちなみに工作機械とかは全て静久が作った金属で作りなおし、それを使って作れば使える奴ができるかもしれない。それになずなちゃんがいれば精密機械を作る時に手伝ってもらえばかなり楽になるかもしれない。まあ、この実験は後回しだ。

 他にも行わないといけないことが沢山ある。必要書類を作ったら、自衛隊から頼まれている刀剣類の強化だ。魔石を使った強化方法で切れ味や耐久力の強化をするのだ。

 魔法陣を書いてから預けられた日本刀と素材となる魔石を置く。先の氾濫で大量の魔石がゲットできたから、大量に渡されたのだ。その素材を使って徹底的に強化する。

 近藤さんからのオーダーは火力なので、剛力と風属性、速度強化を合わせて疾風という効果を作った。できた日本刀は刀身がファンタジーな色の緑色になっていて、柄と刀身に赤い線が走っている。


「疑問。マスター、それは?」

「試してみないとわからないが、成功か?」

「解答。試してみましょう」

「だな」


 握って軽く振ってみるが、なにも起きない。


「進言。マスター、持ち主に試してもらうといいかと」

「なるほど。それがいいな」


 なずなちゃんと一緒に近藤さんの所にいくことにする。横開きの扉を開けると金髪碧眼の怜奈が倒れてくる。慌てて抱きとどめて抱え上げる。


「なにしてんだ」

「えっと、その……」


 長いツインテールを指先で弄り回しながらそっぽを向く。それに対してなずなちゃんがこちらにやってきて彼女、怜奈の頬っぺたをぷにぷにと突いていく。


「解答。どうせ気になって聞き耳をたてていただけ」

「うっ」

「怜奈、駄目だろ」

「でも、お兄ちゃんが襲われてるかもって」

「そっちか」


 まあ、そんなことはなかったのだが、不安だったのか? とりあえず降ろしてやる。


「何それ?」

「これは近藤さんに頼まれた日本刀だ。使えるかは知らない」

「へ~あっ」


 怜奈が日本刀を取ろうとするので上に上げて取らせないようにする。


「宣言。それは近藤さんの」

「そういうことだから、怜奈の武器はまだだ」

「むぅ~」

「それでそれだけできたのか?」

「あ、お姉ちゃんがご飯できたって」

「なるほど。なら、先にご飯にいくか」

「了解。賛成」


 リビングに移動すると、怜奈がそちらではないと教えてくれて案内に従って宿舎の食堂へと移動する。そこではテーブルの上には沢山の料理が並んでいた。自衛隊員の人達も手伝ってくれたようだ。


「疑問。歓迎会?」

「そうだよ。なずなと結衣さんの歓迎会だからね」

「解答。感謝」

「なら、なずなちゃんは怜奈と一緒に席についていてくれ」

「了解」

「こっちこっち」


 なずなちゃんと怜奈を見送って、俺は移動する。移動先は近藤さんがいる場所だ。そこにはお酒の瓶が複数用意されている。


「未成年もいるんですから、あんまり派手にやらないでくださいよ」

「わかってますよ~」

「そうですか」

「それで、出来たんですか?」

「一応、強化はできましたが本格的な奴ではありませんし、力があるのかもわかりません」

「どれどれ……おお、かなりいいじゃないですか」


 近藤さんに日本刀を渡すと、彼女はすぐに引き抜いて検分していく。彼女が構えただけで刀身に凄みがました。それどころか薄っすらと風を纏って淡い緑色に光りだしている。


「これは鍛冶の職持ちが作り出した鍛造品なんですよ。しかし、普通よりは強い日本刀でしかなかったんですが……錬金術で強化すればかなり使えそうですね」

「それなんですが、素材も錬金術で作って専用職の人が加工し、更に錬金術を施すというのはどうでしょうか?」

「なるほど。その辺は私にはわかりませんが、うまくいけば無限ループで性能の向上が狙えるかもしれませんね」

「はい。それに俺の、私の力はもっと別のところにあります」

「錬金“兵器”ということですね~」

「そうです。これは兵器というにはおそまつですから」

「いえ、そうでもないですよ。見ていてください~」


 近藤さんが自分の手を薄く斬ってしまった。驚いていると刀身の赤い線が光って濃い緑色の光が彼女の身体に移っていく。


「本来の使い方はこっちですね。所有者の血を媒介にして魔力やら生気やらを取り込んで身体能力を強化し、ついでに風の鎧みたいなのを展開する。兵器としては弱いほうでしょうが、ただの武器と呼ぶには強力でしょうね~」

「ならよかったです」

「お二人とも、物騒な物を仕舞って席についてください」

「おっと、そうでしたね」


 肩紐の淡い青色のワンピースにエプロンをつけた静久が俺達を向かえにきてくれたようで、俺達も席に移動する。


「……お兄ちゃん、こっち……」

「誘導。マスター、どうぞ」


 俺は二人に呼ばれて結衣となずなちゃんの間の席をみる。静久も俺の手を引いてそちらに誘導してくるので、そのまま座ることにする。すると静久が離れる。


「では、これから歓迎会を始めます。主賓の二人」

「……よろしく……」

「挨拶。よろしくお願いします」


 簡単に挨拶を終えたら、食事を開始する。


「……お兄ちゃん、あ~ん……」

「提供。あ~ん」

「いや、食べられ……ん?」


 二人の扱いに悩んでいると机の下から静久がでてきた。どうやら潜って移動してきたようで、足を開いてやるとそこから身体を出してくる。


「先輩、引き上げてください」

「ずるい。譲ってくれるっていってた」

「ずるくありません。隣は譲りました。ですが、私専用の席を譲るつもりはありません」


 静久のお願い通りに彼女を引き上げて膝に座らせる。静久の温かな体温と良い匂いが漂ってくる。


「質問。それだとマスターが食事できない」

「大丈夫です。私が食べさせてあげます」


 横座りに向きを変えて顔を赤らめて照れながら俺に食べさせてくる。明らかに普段の行動と違う。


「もてもてですね~」

「お姉ちゃん、牽制してますね」

「嫉妬かも」


 向かいの席で座っている近藤さんと怜奈、里奈の二人が食事をしながらそんなことを言ってくる。


「違います。これは……私が正妻だってことを教えるためにやっているだけです。それに先輩のお世話をするのは私の役目、特権です」

「……嫉妬……」

「肯定」


 まあ、俺も嬉しいので静久を抱きしめる。ただ、それだと二人が納得しないので折衷案として俺が二人に食べさせたりはしてやることになった。食事会が終われば未成年は部屋に押し込んで、大人だけで酒盛りをする。ちゃんと待機の人を除いてだ。お酒の中には静久が錬金術で作ったのもあった。お酒を有る程度飲んで解散となって俺と静久は一緒に風呂に入ってから何故か先に出された。

 その後、その日の夜は猫耳に尻尾をつけて首輪を咥えた可愛らしいにゃんこが俺達の寝室に現れた。ごろごろと鳴きながら頭を擦りつけてくるにゃんこに首輪をつけてやるとにゃあにゃあと可愛らしく甘えてくる。その後はにゃんことにゃんにゃんして遊んだ。


「にゃあ♪」


 その時は翌朝、とんでもないことになっているとは俺達は知ることはなかった。







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