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15話 学校のその後






 階下で行われる戦闘は終了し、動く者はほとんどいなくなった。ヴォルフがしっかりとオークの全滅を確認してくれているようなので下は任せよう。

「私は下に行きますので先輩は窓を開けて換気してください。この臭いは……その……」

「わかった。そっちは頼む」

「はい」

 静久は手摺を飛び越えてそのまま一階に落ちていく。ちゃんと受け身をとって着地するまで見送ってから窓を開けていく。ついでだからカーテンを引っ張って破る。それを下に落としてやる。

「静久、それを包帯の代わりにしろ」

「わかりました」

 布は大量に必要だ。止血したりもしないといけないからな。ここはかなり乱暴されているようだしな。取り合えずは治療しないといけないが、男の俺が手をだすのはまずい。

「ヴォルフ、生き残りを探して狩ってくれ」

「わふっ!」

「静久、俺は外で準備してくる」

「お湯を頼みます」

「わかった」

 外にでて食堂から大きな鍋を持って来て校庭でオークの死体を集めて燃やす。水道水を鍋に入れて熱して熱湯を運んでいく。お湯を持っていくと静久がポーションを持ってきていた。

「先輩、これを使っていいですか?」

「ああ、構わないが重症以外は薄めてもいいかもしれない。濃縮されているしな」

「わかりました」

 静久に任せてお湯を作りに向かう。なんどもお湯を作っては渡していく。治療して少しでも助かればと思う。ある程度したらヴォルフが戻ってきたので校舎の中にいる子達も呼び出して手伝える子は手伝ってもらう。俺は屋上にでて双眼鏡で周りを確認しながら他を調べる。目的の鬼武者はすぐに見つかった。ビルに手をかけていたのだが、それがビルを巻き込みながら崩れていく。

「アレを倒したのか?」

『ん、新選組の、人達……』

「近藤さん達か」

 自衛隊だが、新選組の血を引いているらしいからそう名乗っているみたいだ。歴史好きの集まりかもしれないが。どちらにしろ凄い戦闘力だ。

『外から、じゃ話、ならない。口や鼻か、ら入った』

「うわぁ……」

『一寸、法師作戦』

「だな」

 倒れた鬼武者からどろどろになった彼女達がでてきた。女性一人に男性二人。彼等は互いにハイタッチをして喜びあっていたが、ふとこちらを見て手を振ってきた。距離にして数キロ離れているんだが……化け物か。一応、お辞儀だけはしておく。

『連絡。そっちも終わったみたいでなによりですって』

「ああ、ありがとう。そちらもお疲れ様でしたと言っておいてくれ。後、病院の方じゃなくて皆、こちらに居たと」

『ん』

「怪我人多数だから衣料品や医者を派遣して欲しいとも連絡してくれ」

『すで、に……』

「ありがとう」

 とりあえずこれで終わりだな。後は食堂から接収させてもらったものを皆に配るか。緊急自体だし構わないだろう。しかし、どうにか助けることができたが、これから問題はかなりあるだろう。




 ※※※




 あの痛ましい災厄から二ヶ月が経った。第一次ダンジョン事変と名付けられた災厄によって人的被害も物的被害も受けた日本は大打撃を受けた。政府は自衛隊を全力で投入することでどうにか主要都市を守ることに成功した。しかし、守れなかった地域も存在し、一部の地域はモンスターに完全に支配された。だが、都市部の鎮圧を成功した自衛隊が派遣されて奪い返していっている。

 しかし、問題もある。日本以外でもダンジョンの氾濫が確認されて世界中が大変なことになっている。更には海の中にもダンジョンはあったようで、そこからでてきた水性モンスターによって海上が閉鎖されたのだ。まあ飛行機で輸送できない訳ではないが、航空機による護衛が必要だ。空にもモンスターが現れたのだから。そんな状況では輸入に頼っていた日本は物資不足に陥ることになった。

 その対策として政府はダンジョンに民間人が入れるようになる免許を得るための試験と訓練施設を設けた。当初より格段に速く制定されたそれはまだ不備も多いがおおむね好評だ。またダンジョン内での探索者同士の戦いは厳禁とされ、犯罪行為は断固として処罰されることとなった。それらに加えて刑罰として死刑囚はダンジョン内での仕事が義務付けられ、自衛隊の監視のもとで働かされることになる。ここで更生が確認できれば釈放される場合もあるとか。当然、かなり難しい上に逃亡防止の措置もしっかりと取られている。少しでも逃亡などしたら射殺許可まで下りている。ちなみに彼等が働くのは自衛隊が完全に回りを封鎖し、内部を監視するために作った場所だ。つまり自衛隊しか入れない完全に管理されたダンジョンだ。民間人が入ることはできない。逃亡を監視するシステムも結衣が手伝って作ったようで、生半可な手段では逃亡することは不可能だ。こっそりと聞いた話では許可証を識別する地雷まで仕掛けてあるようだ。本来、ダンジョンから溢れてくるモンスター用に用意したらしいが、死刑囚にも発揮できる。

 またダンジョンの氾濫を抑える能力がある者にはその土地にあるダンジョンの管理が任せられるようになった。これは土地の持ち主が隠さずに教えてくるようにするための処置でもあるが、同時に管理者は訓練所の開設と定期的な自衛隊による監査も義務付けられている。当然、隠していたら今まで以上にかなり厳しい罰則が与えられるようになった。具体的には数十億の損害賠償などが求められる。俺もこれに登録して回りの土地ごと政府から貰った。

 さて、この他にも制定された法律が存在する。それは13歳以上、20歳以下の人はダンジョンに入るには訓練所に所属し、保護責任者の同行と行程表の提出が義務付けられていることだ。人が少なくなったことで国民の食い扶持を稼ぐには若い子達も入ってもらう方がありがたいということだ。それにダンジョンで経験を若い頃から積むことでより幅の広い成長が確認できていることもあり、このようになった。ようは未成年者は自由にダンジョンに入ることができず、どこかの訓練所に所属してしっかりと勉強して許可を得ないといけないということだ。

 このような方策でどうにか日本は持ち直してきている。しっかりと調べて問題がないと判断されたモンスターは買い取りも高いし栄養価も高いのもありがたい。完全に管理されているダンジョンから安定して得られるのもポイントだ。


 さて、次は俺達だ。あの後、俺達は生きていた病院の施設で検査を受けて俺と静久は多少の影響はあるが問題なしとなった。静久や俺が受けた影響は単に軽度な発情なので夫婦である俺達自身で解消することになんの問題もないからだ。その夜からしばらく無茶苦茶やった。静久が立てないくらい。

 さて、臭いだけの俺達は問題ないが……他の人はそうもいかない。飲まされた怜奈と里奈の二人は洗浄したとはいえ、かなり発情していて互いに慰めあっているそうだ。だが、静久曰く効果はいまいちで、薬を飲んでもましになる程度とのことだが、なんとか日常生活には問題ないとのことだ。

 問題は知り合いでいえばアンナさんとなずなちゃんだ。二人はかなりやばい状況で快楽依存症になっているそうだ。なんとかアンナさんは耐えているが、なずなちゃんはかなりまずい。また彼女達は一週間でオークを産み落としていた。当然、オークはすぐに処理されたが、洗浄しても間に合わず生まれてから処理するしかないということになっている。そのこともかなり負担になっているようで、二人はまだ大丈夫だが自殺者がでている。

 自殺者以外にも問題が多数ある。まず快楽依存症になればまともな生活が殆どの人は送れていない。常に身体から発情を促すフェロモンのようなものが放出され、医師ですら患者である彼女達を襲いかける人までいた。その人はなんとか耐えてナースコールを押して自分を拘束して離すように頼んだそうで、事なきを得た。事情聴取の後、即座に対策として被害者の女性達を隔離し、同姓である医者やナース以外と接触させないことで手をうった。男性は家族であってもガスマスクをつけてダンジョンで鍛えた屈強な女性自衛官が同席して面会することになっている。

 もう一つの問題はそんな女性達を引き取る連中もいるということだ。何をしたいかなのまるわかりだ。まあ、その人達が夫なら問題なしということで審査されても比較的簡単に通る。これは何時までも病院で預かることができないからだ。今はどこも人手不足で特に病院関係はひどくなっている。逆に夫以外だと家族に男性がいない人も楽だ。男性がいる場合は血の繋がった三親等でないかを厳しくチェックされる。子供ができたさいのアレだ。まあ、気休め程度ではあるが、家族全員の同意も必要で、そういうことも含めて同意がなされた場合に限り送り出される。

 我が家だと軽度である怜奈と里奈を引き取るにも同意書がいて、本人確認までされた。二人は同意してくれたので現在は俺の家で住んでいる。もちろん、まだ手をだしていない。それとアンナさんはまだどうなるかはわからない。

 さて、ここまではまだなんとか倫理的にはどうかと思うがまだましな状況だ。問題は完全に身寄りがなくなった子だ。彼女達をどうするかという問題がある。普通の孤児として引き取るわけにもいかないのだ。だが、世の中にはそんな彼女達を引き取りたいという奴等が結構いる。目的は妻にするためだとかだが、これはまだましな方で性奴隷として連れていこうという奴等がいるのだ。実際に最初の方でそういう奴がでて検挙されている。氷山の一角かもしれないが、一応本人も引き取られることに同意しているので対応が難しいとのことだ。

 しかし、解決策がないこともない。多数の報告で夫に引き取られた女性達は快報に向かっているらしいのだ。つまり、ちゃんと発散させればいいということらしい。その後夫にベッタリとなるらしいが、それも時間をおけば順調に回復しているとのことで仲睦まじい夫婦になっていると自衛官の人に聞いた。

「静久、どうだ?」

「まだなんともいえませんが……形にはなってきています」

「そうか」

 リビングにあるテーブルの上で静久が試験管に入れた薬品をビーカーに混ぜていく。すると色が変わってボフッと煙がでてくる。

「後は魔石の粉末を入れて固形物になるまで煮込めばいいだけですね……先輩、疲れました」

「おいで」

「はい」

 ソファーに座っている俺の膝の上に座って身体を預けてくる静久を抱きしめ、優しく頭や身体を撫でていく。

「これでお母さんが治るといいのですが……」

「しかし、アンナさんがな……」

「はい……」

 アンナさんは娘達が回復したら自殺する気だったらしい。静久達であやしかったアンナさんを問い詰めて薄情させたとのことだ。当然、三人は大反対したが、現状ではアンナさんを助ける手段がない。死んだ夫以外の男性と関係を持つ気はないとのことだ。流石に俺が手を出すのはまずい。だが、静久はそれを最終手段とすら考えているとのことだ。医療行為としてならまあ、許せるらしい。だけどその後はちゃんと自分に戻ってくるようにしっかりと言われた。

 最終手段を取る前にできることを探そうということで、錬金術師として薬品を開発しているのだ。ポーションの方はすでに自衛隊に降ろしてあるし、一般では高額ででている。良く効くなずなちゃんに飲ませたような太陽花を使った濃縮のは億単位の値段がついているからな。こちらは売れていない。まあ、高すぎるからな。売る気がないというのもあるが。後は俺も義手や義足に加えて武具の開発を行っている。

「先輩に抱かれていると落ち着いています」

「ならもっと頼ってくれていいぞ。静久は頑張ってくれているからな」

「はい……あっ、また変なのができましたね。爆発粉らしいです」

「なんだこれ」

 出来た塊は魔力を込めれば爆発するものだった。錬金スキルの効果で作った物は理解できるのはありがたい。

「これってゲームにでてたあれか?」

「アレでしょうね。丸い物に詰めて爆弾にしましょうか」

「それがいいだろう」

「ですね。次はこっちを試してみましょう……」

 稼いだお金は全て素材買い取りに使ってレシピを調べている。どうにかして助けたいからだ。

「お兄ちゃんっ、お姉ちゃんっ!」

「どうしたんだ?」

「お願い助けてっ!」

「落ち着いて。どうしたの?」

「なずなを引き取りたいって人が来たって病院から連絡がきたの!」

「それなら……」

「名前はなんですか?」

「神崎正臣って……」

 あいつか。これは碌な事にならない可能性が高い。あいつも静久を狙っていたからな。アンナさんを狙う可能性も考えるが、家族である俺達がいるのでそれはできない。

「車を出す」

「わかりました。いきましょうか。先輩、なずなちゃんを引き取りたいのですが、いいですか?」

「世話をしないといけないぞ」

「私がやるから大丈夫!」

「私からもお願いします」

「ならいいか」

 静久も乗り気なようだしな。神崎にむかついているだけかも知れないが。それよりも車を出しながら結衣に連絡をいれて頼み事をしておく。神崎の調査と出品している超高額の濃縮ポーションの買取だ。即決で落としておいてもらう。



 ※※※



 さて病院にあるなずなちゃんの部屋に着いたのだが、連絡をしたであろう里奈と見た事もない男性、それに20代の男、神崎正臣が居た。アイツは俺達を見るなり睨んできていた。

「お前は……」

「なずな、大丈夫?」

 まだ喋れないのか、意識が朦朧としている中でありながらもこくりと頷く。彼女の手足はないので頷くだけだ。どうにか手足を作ってあげないといけいない。そちらも大分できている。

「ここに何の用だ?」

 さて、ここでどう答えるのが正解だろうか? いや、もう手を打ってあるのだからそっちを使ってもいい。

「彼女を引き取りに来ただけだ」

「誰に口を聞いてやがるっ! それにこいつは俺が引き取るんだよ!」

「すでにそういう取引をしたというのですか?」

「そうです。こちらが書類になります」

 弁護士のようで、出された書類は病院側のもののようだ。まあ、ベッドも空いていないし、いつまでも置いておけないのは理解できるか、書かれている内容がおかしい。

「彼女は両手がないのだが?」

「代筆させましたが?」

「なるほど。しかし、意識が朦朧としているのに本人の意識確認をすると?」

「問題はありません。特別な治療を行う用意もしてありますので。もちろん、それ以降のお世話もさせてもらいます」

「先輩?」

「ふん。なんだったらお前もこっちにこい」

「黙ってください。どうするんですか?」

 静久は神崎の言葉を一蹴してこちらに話しかける。怜奈達も気になっているようだ。

「どうもこうも諦めるしかない」

「そんなっ!?」

「「お兄ちゃんっ!?」」

 怜奈が絶望したような表情になり、二人も無表情を微かに動かして信じられないといった感じの表情だ。

「ふん。どうやらわかっているようだな」

「それはもちろん。では、彼女の責任者は貴方ということでよろしいですね?」

 ちゃんと丁寧に対応する。ここからは仕事だから。

「お兄ちゃん……」

 妹二人から軽蔑したような視線がやってくる。しかし、今は我慢だ。

「そうだ」

「でしたら21億円、本日支払っていただきましょうか」

「は? 何を言っているんだ?」

「彼女の治療に使った濃縮ポーションの代金です。これの値段は実際に落札された最低値から判断させていただいています」

 携帯でオークションで結衣に落札させた奴だ。アイツ、複数のアカウントを操って接戦を演じてわざと一本の値段が凄まじい金額にしている。もちろん、数個だしていたのを全部落としている。このオークションサイトの運営は誰が握っているかといえばダンジョン管理委員会と結衣なので一切問題はない。ちゃんと代金さえ支払っておけば。まあ国営なので手数料は一律なので高いが、ポーションの利益を少し回せばいいだけだ。

「ふざけっ」

「ふざけていません。救助する時の代金は合わせていませんが、薬代は別です。最初に四本とそれから追加で何本も使っています。カルテにも投薬にしっかりと書かれています。こちらはちゃんと本人にも意識確認をしてありますので問題ありません」

 まあ、相手と同じ手法だしな。

「今日は返済してもらおうと来たのですが、そちらが引き取るというなら即金を頂けて感謝しますよ。これから実験体として身体で払ってもらおうと思っていましたし」

「これは本当に価値があるか……」

「では管理委員会で調べたら証明書です。どうぞ」

 オークションに出品するにはどうしても証明書が必要だ。特に薬品や食料関係は厳しい。

「偽造ではないようですし、駄目ですね」

「こんなののために払わないといけないというのか!」

「そうですね。こちらを違法だというのなら、私達も同じになりますので……結局は無理です」

「このっ!」

 怒り心頭のようだが、流石に21億もの金をすぐに用意できないだろうし、それに本人に意思確認をすればいい。

「どうやら返済する意思はないようなので、彼女の身柄はこちらでもらいましょう。なずなちゃんもいいかな?」

「なずな、一緒に来て。今度は私達がお世話するから」

「こっちに来た時にいっぱい助けてくれましたし、今度はこちらの番です。私は目が見えないのであまり役に立たないかもしれませんが……」

 怜奈と里奈の言葉にこくりと頷く。

「さて、本人確認も取れました。まだ何かありますか?」

「坊ちゃん、帰りましょう」

「くそっ、覚えていろっ!」

 帰っていった奴等を見送って、改めてなずなちゃんをみる。長い綺麗な黒髪の美少女だ。今は手足がなくて包帯が巻かれている。

「さてと、静久。俺達で引き取るか?」

「そうですね。こんなに早く娘ができるとは思いませんでした」

「やった!」

「その、それで実験体って?」

 すぐに二人がなずなちゃんの身体に抱き着いてこちらをみてくる。

「私がなるから、なずなは勘弁してあげて……」

「駄目だ。なずなちゃんには新しい手足をあげるんだからな」

「え?」

「先輩が作っている義手や義足のテスターになってもらうってことです。つまり、それはまた自由に動けるようになるということです。私達の娘になるんですから借金なんてありませんからさっきの話も気にしなくていいです」

 そもそも、最初から無料(ただ)のつもりで用意してたんだ。今更お金はもらわない。妹に良い格好したいし、娘になるなら当然だ。

「あ、でも娘だと問題があるよ」

「なにかあるか?」

「あ、お兄ちゃんとできませんね。治療のために必要なのに」

「そこは薬で……」

「まだ完成していません。仕方ないのでお母さんの名義で引き取ってもらいます。それならまだセーフですし」

 娘に手をだすのは……今とあまり変わらないか。静久の身長的に娘みたいなもんだしな。

「あ……それになずなが娘になるなら、私達おばさんになるんじゃ……今」

「嫌」

「駄目ですね」

 一応、本人にも確認をとると納得してくれたようだ。病院と市役所で手続きをしてアンナさんと一緒になずなちゃんは連れて帰ることにした。あいつがアンナさんに何かするかもしれないし、とりあえず連れて帰った。その後はなずなちゃんは別の病院で手術をしてもらって義足や義手を取り付ける装置を付けてもらう。後は向こうの病院で三日過ごしてから家に移した。家の方は訓練所の設置にともなって病院に近い設備を提供されているので任せる。自衛隊に所属する医師もきてくれるらしいので問題ない。

 付きっきりの看病をしてしばらくすれば普通の義手などで訓練してもらう予定だ。家で作ったのは慣れてからだ。




 なずなちゃんのことはある程度解決し、次に問題になるのはアンナさんだ。まあ、こちらは家に閉じ込めて娘である静久立が看病するので大丈夫だ。俺は近付かないようにしておく。

「で、これは何事?」

「お礼らしいですよ。後は我慢がそろそろ限界なようです」

 俺と静久の寝室のベッドの上にいる二人に風呂上がりの金髪姉妹。

「静久さんや」

「やっちゃってください。予定外ですが、一年も待って心が壊れたらかないません。それに……今のままだと襲われたら抵抗できないかもしれません」

 神崎のことで改めて二人が危険な状態だというのも理解したのかもしれない。今の二人は日常生活には問題ないかもしれないが、襲われたら拒むことができないかもしれない。そんな子はとても美味しい獲物にみえるだろう。男嫌いな怜奈ですら最近は俺に自分からよくくっついてくるようになっているぐらいだし。

「しかし、俺はいいが……」

「私達もいいよ」

「ちゃんと納得しています。やるならお姉ちゃんと一緒がいいですから」

「わかった。それでアンナさんはどうするんだ?」

「お母さんはなんとか説得します。それか別の方法を取ります。むしろそっちの方がいいかもしれません」

「別の方法?」

「私達でとって、お母さんに道具で摂取させて解消してもらいます」

 それなら確かにありかもしれない。まあ、役得ではあるしいいか。目の前の美少女三姉妹の方が優先だ。

「あっ、先輩」

「なんだ?」

「なずなちゃんも含めて妹達もちゃんと大切にしてくれないと許しませんから」

「なずなちゃんもか?」

「責任は取らないといけません。後で話せるようになったら聞いてみましょう」

「わかった」

「早くしようよ」

「まだですか?」

「わかったよ」

 可愛い三姉妹とのお楽しみの時間はすぐにすぎた。最後までしっかりとやって、終ったあとはぐったりしている二人を隣に寝かせて静久と楽しんだ。



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