表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
5/10

4枚目

『必殺!ぐれーん・キック!』


「おおっ!!」


『オレの名は、ぬいぐるまー紅蓮ぐれん。赤く輝くはす((明日))のはな!』


「ぐれーん!!」


『みんな、来週も観てくれよな』

『きらりと輝く白い鳩((歯と))、明日を生きる力をモットーに、愛映あいえい会の提供でお送りしました』


ぱちぱちぱち。



テレビにかじりつくようにして、特撮映像に見入っていた少年少女が本日の感想を述べ合っている。


微笑ましい光景だ。


放送中も物語の内容にあわせたように、ピンクのうにょうにょと緑のつんつんがせわしなく動いていた。


のけぞったり、抱き合ったり、手を握ったり。


忙しいな。お子様ツインは。(双子ではありません)


肉体こそ十代半ば?を越えたふたりだが、精神はまだまだ子ども。


「あ、そだ。びー」

「なんだよ。グリレ」

「ぐ?え?なんだよ、その略し方――」


グレー・G。トーンダウン。


「セタンは仕事か?続き観たいんだけど?」

「来週にしろ。次週まで待て」

「えー、なんでー?」

「これ生だから」


「LIVEなんだよ。ラ・イ・ブ!過去放送分は見れるけど、次週予告分は未放送なのっ!」

「え~、早く観たいぃ」


「ったく、グラサン無いだけで、ガキに戻るんだからなー」


ぶーぶー言っている二人を無視して、夕飯の準備を再開する。





←← 巻き戻し。



G「オレ様の名はグレー・G」


B「グラサン全身緑タイツのフル○ン野郎」


G「緑……は、あってるけど……」

G「これはタイツじゃねぇ!スーツだ。スーツ!てめえが着てるのと同系統だろうが?どこに目、ついてんだ?ああっ!?」


B「スーツだったのか。てっきり、新種のド派手ヌードタイツかと」


G「いやん。って、違うわ!」


B「えっと、名前なんだっけ?」


G「グレー・G」


瀬田「緑なのにグレーなのか?」


B「グレー?グレージュ?どちらも色が違うな」


P「緑!緑!」


瀬田「緑ちゃんでもいいが……」


B「実は裏地グレーだったり?」


G「いや、緑」


ぱから。っと、本体に戻ってひらり。


B「おお、緑だ。まごうごとなき緑色っ!!」


瀬田「えと、グレー、なんだったか」


G「グレー・G」


瀬田「グレジ?言い難いうえに、何より印象が悪い。効率よく印象を向上するには……」


B「ええと、瀬田さん?瀬田さーん?」


瀬田「よし。お前は今日から、グリーンレジだ!」


G「グリ、何?は?え?」


瀬田「君の名前だ。グリーンレジ。環境にも配慮したよい名前だ。奥様方の印象アップ間違いなし!」


B「せ、瀬田さん、印象は関係ないと……」


ついに壊れたか?


戸惑っている所にパピヨン登場。

なにやら楽しそうに……おままごと?


P「いらっしゃいませ。ぴっ」

G「ありがとうございましたぁ。って、POSじゃねーし、通らねーよ!」

P「通らないの?」

G「通るわけないだろ。読み取り不可だろう、それ。空気だぞ、空気!」

P「じゃあ、これは」

G「だから、オレはPOSでもレジでもねぇ!」

B「わかってるじゃん」



少し早送り →→



壊れた瀬田さんの暴走は続き。


B「にぃぐるまー星は奇人変人、おまけに変態さんの集合体なのか?」


瀬田「さあ、これが本物のグリーンレジスターくんだ」

G「知ってる!」


瀬田「なんだ。知っているのか?では、その機能は?」

B「普通にレジとして機能すれば何でもいいと思うよ」

瀬田「おい、開発者の皆様に謝りなさい。血と涙と感動を共有するんだ!」

一同「どうやって?」


壊れた瀬田さんについていけない。

一同、揃って首を傾げた。




現時点まで早送り →→



グリレとの出会いを回想していたはずが、妙なところまで思い出してしまった。


とにかくご飯だ。ご飯。

お気に入りの番組が終わったからには、急いでお子様たちの胃袋を満たしてやらないとな。




母ちゃんモードになっていることに気づかないBは、瀬田の行方も放置したまま、張り切って台所に向かったのだった。


評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ