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拾遺譚(企画)  作者: 暁羅
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プリズム

BAGOさんからいただいたネタです。


虹、ツンデレ、サボリの二人という3つのお題で書きました。

―僕は虹が好きだ。光の屈折によって出来る七つの層のアーチは、どこか人に似ている気がするから。





キーンコーンカーンコーン


授業開始のチャイムを聞きながら僕は屋上の扉を開ける。


「また来たの?」


頭上から声。

顔を向けると艶やかな黒い長髪を(なび)かせて座っている少女がこちらを睨んでいた。


「やぁ。芽生(メイ)ちゃんから声かけてくれるなんて初めてだね。」


「………ふん。」


あ、そっぽ向かれちゃった。


「相変わらずつれないなぁ…。」


(まぁ、そこも可愛いんだけどね。)


「…あんた、三年でしょ?こんなにサボってていいわけ?」

いつもの彼女からは考えられない質問。

今日は機嫌がいいのかな?


「問題ないよ。お気遣いありがとうございます、お嬢様。」


「バカだから授業分かんないのか。」


「僕が悪かったです。ごめんなさい。」


うぅっ、やっぱりご機嫌斜め?


「…って芽生ちゃん何してんの!?」


「何って…降りてるのよ。見りゃわかるでしょ。」


分かるよ、分かりますけども!

今日は風が強いから…。


「何?」


言った方がいいのか?いいんだよなぁ…この場合。

よし!!


「め、芽生ちゃん、言いにくいんだけどさ……そのー……パンツ、見えてるよ?」


「…え?……!どこ見てんのよ!変態!」


そう言われてもねぇ……。とりあえず、ごめんなさい。


どうにかしてスカートを押さえようと格闘しているとバランスを取れなくなったのか梯子から落下した。


「きゃぁぁぁぁぁぁ!!」


「芽生ちゃん!」


ドサッ


「…危なかったぁ。大丈夫?」


お姫様抱っこの状態で受け止めた彼女を立たせながら聞くとコクリとわずかに頷いた。

芽生ちゃんはカタカタと震え、小さな右手が僕のシャツを握ぎりしめていた。


「よしよし、もう怖くないからね。」


僕よりも一回り小さな身体を抱きしめて頭を撫でた。何度も何度も声をかけているうちに震えは収まり鼓動も正常になってきた。


「あんたにこんなことされなくたって平気なんだからね…。」


「うん。」


「でも……助けてくれて、ありがとう…。」


「どういたしまして。」


どんなに強がっていても16歳の女の子。いつもは素直になれないだけで、本当はちょっぴりドジで照れ屋ないい子なんだよね。


「そろそろ離してくんない?」


「あぁ、ごめん。」


「じゃあ、私もう行くから。」


「うん、またね。」


パタパタと走り去る彼女の背中を見送り、空を見上げる。

ポケットに入っているプリズムを取り出して太陽にかざすとキラキラと七色に輝く。角度によって変わる色を見ながら、真っ直ぐに伝えられないからこそたくさんの表情が見えるのかもしれないと、そんなことを考えた。

お読みいただきありがとうございます。

今回は珍しく、というか初のNLですね。

男女と男同士と女同士でかなり悩んだのですが男女にしてみました(笑)


反省点としてはもう少し上手く虹を取り入れたかったです…。


ちなみに先輩の名前は蒼空(ソラ)で芽生ちゃんとは対っぽくなってます。性格は完全に趣味です←



まぁ、そんなことは置いといて。


改めまして。

楽しんでいただけたでしょうか?

楽しく書けた作品なので皆様にも気に入っていただけたら幸いです。

ご意見、ご感想などありましたら気軽にお願いします(^-^)

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