その六 祭り準備。
まだ続く悲劇?
……シャーシャーシャーシャー……
現在私は森の中にいるせいなのかクマゼミがないている。
何故私が森にいるかというと、他の妖怪に手伝いを頼むためである。
実はこの森は私(お稲荷様)の領地だからどうせなら知っている面子の方が手伝ってくれるからだそうだ。
そうだというのは彼がこの案を提案したからだ。
さてさて、まだ目的地に着きそうもないから少しこの森の説明でもしよう。
この森は泉を中心とする楕円形の形をし、私の神社もこの森の村に近いところにある。
その泉に棲んでいる怪異に私は面識があるから彼に依頼されたのだ。
そのため私は大分歩かなくてはならない。
本当に面倒くさい。
「と、何時の間にか目的地というよりは目的の話になってしまった私なのであった」
なんか、馬鹿みたい。
まぁ、自分でも自覚はできる位馬鹿ではあるのだけれど。
そんな自分で自分を馬鹿にしているという自虐行為をしていると目的地に着いた。
そういえばここの怪異を説明し忘れていた気がする。が、皆さんご存知のあの有名な妖怪さんなので言わない事にしよう。
◆ζοχ◇
「ただいまー、って、何してるの?」
私の目の前にあるそれは、何故か抱き合う様に倒れた二人の男子だった。
「い、いやー、こ、これには非常に深ーーい、深ーーーーーい訳がありまして……」
「じゃー、その深ーーーーーい訳とやらを包み隠さず教えてもらいたいのだけれど?勿論拒否権は無いよ☆」
「あのー、すいません。私共は何をすればよろしいのでしょうか?」
後ろから私が連れて来た先頭が私達の会話に入れずに困っている様だ。
「誰なん?そいつらは?叶ちゃんの知り合いなん?」
そんなこともお構いなしで今まで黙ってたもう一人が関西弁で話しかけてきた。
「うーーん、まぁそんなとこ、かな?」
どっちかといえば同居っていうか、お手伝いさんみたいなとこだが、あながちその考え方も合っているといえると思う。
「それで私共は何をすれば……」
「あ、うん、ごめんごめん。先に本殿の方に行ってて」
「承知しました」
先頭は恭しく礼をして他の十数名の仲間と本殿の方に歩いていった。
「にしてもなんで水神なんぞ呼びよったん?」
一々煩い奴だ。別にいいじゃん。一番信用できる妖怪なんだから。
「水神?何それ?」
先程弁解してたもう一人が水神と呼ばれる妖怪のことを訊いてきた。
「水神というのは……」
「ようは河童の事や!河童は全国にいろんな呼び方が仰山あるんや。それは一概にも河童だけやないから他の妖怪の名前も覚えてて損は無いで」
私の言葉を遮った上、さらには今までの私の話の中で一番長く喋りやがった。こいつ、ただじゃおかん。
「で、なんで二人とも仲良く抱き合ってたの?」
反撃じゃーー!!!
「だ・か・らーー、違うってゆーてんねん!!オレらは別に抱き合ってたんちゃう!!普通にアイツが転んで押し倒されただけやねん!!!」
もう押し倒されてる時点でアウトな気がするが敢えてつっ込まない。
「ふーーん。そうなんだーー」
「な、なんや?信じとらんのか?」
信じられるわけがない。
「いやー、心の読める怪異に嘘をつくとは大したもんだねー」
心を読むことができない神様ってなんか残念な神だね。
しかもただでさえ鏡を使ったりする怪異に嘘をつくって。相当の馬鹿だな。
「ま、いいや。私、用があるから。じゃーねー」
『…………』
見事に黙る二人。
なんか、これ以上いたら私がおかしなモノに目覚めそうだから離れることにしよう。
祭りまであと2日。
ここまで順調だったがこの二人のせいでなんか台無しにされそうな気がしてきた。
叶「あいつらは一体なぜ倒れてたのやら」
少年「教えて欲しくば俺の3つの質問に答えよ」
叶「別にいいよ。教えなくても」
少年では第一問!」
叶「勝手に始まった!!!?」
少年「それにしてもキャラが完全崩壊してたね」
叶「作者が久しぶりに書いたせいじゃない?」
少年「第二問!」
叶「えっ!!まだやるの!?」
少年「なんで今回出番無かったのかなー?」
叶「もう出してもキャラが使えないからじゃない?」
少年「うっ、ラスト第三問!!」
叶「もう止めようよ…」
少年「カナちゃんのthree sizeを教え……ぁぐはぁぁ……!」
叶「誰が教えるか!!」
少年「いい加減次回予告を……ガク」
叶「(結局教えないのか)変なトコ真面目だね。まぁいいや、次回、現実。」
諒「えっ、また出してくれないの?」