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炎の国と燃え上がる空

扉の向こうは霧に包まれていたが、鼻を突く臭いがすべてを物語っていた。燃える木、溶けた岩、強烈な硫黄の臭い。


扉を抜けた瞬間、熱風が顔を焼く。目を開くと、息をのむほど荘厳だが、同時に恐ろしい光景が広がっていた。

空は赤とオレンジの炎に包まれ、まるで燃え上がっているようだ。地面は黒くひび割れた火山岩で覆われている。遠くの地平線には溶岩の川が輝き、ゆっくりと流れながら蒸気を噴き上げていた。ここは間違いなく炎の国だ。


「うわっ…ここは…文字通り燃え尽きそうな暑さだよ!」

アリスがきょろきょろと辺りを見回す。肩の弓がどれほど役に立つか、自信なさげだ。


足元の地面は熱く、今にも溶け出しそう。空気は重苦しく、息をするのも辛い。

影の守り手として、この世界の均衡の崩れを即座に感じ取った。火の元素が暴走し、すべてを貪り尽くしている。水の気配すらなく、まるで要素の国で風が消えた時と同じだ。


フィンが肩でそわそわと動く。彼の紫の輝きも、この灼熱の環境ではかすんで見える。強烈な熱が彼にも影響を与えているようだ。


「暑すぎる。火の元素が完全に制御不能だ」

額を伝う汗をぬぐいながら呟く。


歩き始めると、火山岩が踏みしめるたびに軋む。遠くで溶岩の流れる低い轟音が聞こえる。この国の荒廃は、要素の国の廃墟以上に不気味だ。ここには生命の痕跡すらない。


しばらく進むと、遠くに煙の柱が立ち上っているのを見つけた。煙の源に向かうと、そこには活動中の巨大火山がそびえていた。噴火口からは煙が渦巻き、時折溶岩が噴き出す。この国全体の混沌を象徴するような光景だ。


火山の麓には、不気味な形をした深紅色の結晶が輝いている。要素の国の紫の結晶に似ているが、より大きく、強烈な熱を放っている。これらの結晶が炎の国のエネルギーを吸収し、暴走させているに違いない。


その時、火山の斜面から軋むような唸り声が響いてきた。溶岩の泡立つ音や風の轟音に混ざって聞こえる。

火山岩の間から、巨大な光る目が浮かび上がる。


「どうやら一人じゃないみたいだ」

アリスが弓を引き絞る。


岩陰から、赤熱した体を持つ炎の化物たちが現れた。炎喰らいだ。以前戦った魂喰らいよりもはるかに高温で危険そうだ。


炎喰らいが襲いかかる。彼らが放つ熱波で周囲の温度がさらに上昇する。

アリスが矢を放つが、溶岩の体を貫いた矢はすぐに溶けてしまう。


「矢が効かない!」

アリスの声には焦りが滲む。


フィンが肩から飛び出し、紫の光で炎喰らいに突進する。だが今回は彼の力も完全には通用しないようだ。炎喰らいの熱がフィンのエネルギーを阻害しているのか。


影の守り手として、体内に痛みを感じる。この国は炎に飲み込まれていた。そして浄化するためには、今度は火そのものと対峙しなければならない。

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