守護者との対話と古の知恵
忘れられた神殿の中心で、赤い目をした巨大な像と対峙する。
「何者だ?忘れられた神殿の聖なる眠りを破る者は?」
深く轟く声が部屋の壁に反響する。
アリスは矢を構えたまま、手を震わせている。フィンは私の肩で震え続けるが、視線は守護者から離さない。
「私たちは湖の友です!湖の心を浄化するために来ました。その呼び声に応えたのです!」
私は声の震えを抑えようとする。釣り竿をしっかり握るが、戦うつもりはない。
「湖の守護者たちの遺産か…戦わぬ使者とは。あなたたちは湖の均衡を乱す者か、それとも守る者か?」
守護者の赤い目が私を貫く。声には驚きと好奇心が混じっている。
「私たちは湖を守りに来ました。影の魚を浄化し、魂の源を再活性化させました。湖の囁きが私たちをここへ導いたのです」
私は毅然としている。ポケットから古代の湖の結晶を取り出す。
結晶の輝きが像の赤い目に映る。像の視線は結晶に集中する。
「その結晶…ああ、感じる。確かにあなたたちは湖の友だ。だがなぜ武装した同行者を?」
像から放たれるエネルギーが変化し、脅威が薄れる。視線がアリスに向く。
「私はただリョウを助けに来たの!危険から彼を守るためにここにいるわ!」
アリスはまだ緊張しながら弓を構え続ける。
「この神殿に暴力の居場所はない、弓使いよ!ここは知恵と理解をもって進むべき場所だ」
守護者が轟くように言う。声は警告的だが、より穏やかだ。
「その通りだ。武器を下ろせ。ここは戦場ではない」
私はアリスに向き直る。アリスは躊躇うが、ゆっくりと弓を下ろす。
「私は古の守護者。この神殿と湖の古代の秘密を守る者。長年眠りについていた、湖の精霊が弱まったためだ」
「私たちは湖の精霊を強めるために来ました。遺言が、ここにある失われた儀式について語っていました」
「ならば、あなたたちの知識を試そう。湖の均衡を取り戻すためには、必要な儀式を見つけ、実行しなければならない。この神殿があなたたちを導くだろう。だが忘れるな、全ての知識には代償が伴うことを」
守護者の胸に、これまで気づかなかった複雑な印が浮かび上がる。
この印は、湖の守護者たちの遺言にある「知恵」の印に似ている。これは一種の謎解きか試練に違いない。
「この神殿は湖の精霊の鏡だ。ここにある各部屋は、湖の一側面を表している。それらを理解しなければならない」
部屋の四方に、古代の扉が現れる。
それぞれの扉には異なる印が刻まれている。これらの印は、遺言のいくつかの章節と対応しているようだ。
「これらの扉を通り、各部屋の謎を解き、湖の精霊と再び結ばれなければならない。そうして初めて、湖の心に完全に到達し、古代の儀式を完結させることができる」
古の守護者は説明を続ける。
フィンは私の肩で興奮して跳ねる。その目は印の中のエネルギーの流れを追っているかのようだ。
アリスも決意に満ちた表情で私を見つめる。この神殿は単なる通路ではなく、学びの過程でもあるのだ。




