浄化の儀式と湖の囁き
「この記号と湖影魚を使い、クリスタルの力を解き放て」
守護者アラリックの指示が頭に響く
湖影魚を手に、巨大なクリスタルの前に立つ。この瞬間が『ヴェリディアン・レルムズ』の運命を変える予感がする。フィンが傍らで静かに待ち、その存在が私に力を与えてくれる。
古の湖のクリスタルが放つエネルギーが広間の空気を震わせる。『古代言語と記号の手引』を取り出す。アラリックが示した「浄化」の刻印を見つける。記号の細部まで目を凝らし、一つ一つ記憶に刻み込む。
魚をクリスタルの表面に近づける。魚の暗黒エネルギーとクリスタルの紫緑の輝きが衝突する。
目を閉じ、心に「浄化」の記号を描く。司書から教わった「自然と一体となる」技術に集中する。
深く息を吸い込む。手からエネルギーが流れ出し、湖影魚に向かう。
記号の力が魚の内部に浸透していく。暗黒のエネルギーが徐々に霧散する。この過程は驚くほどゆっくりで、多大なエネルギーを要する。
手の中の魚が軽くなる。濃い紫色が次第に透明に近い淡い紫へと変化。暗い紋様が消え、代わりに銀色の輝く模様が浮かび上がる。これは単なる浄化ではない。真の変容だ。
「浄化された湖影魚:伝説の清められしエネルギー」
今や魚にはこう記されている。
魚は完全に浄化された。内なる闇は消え、純粋な輝く力に置き換わった。これは大きな達成だ。
目を開ける。アラリックが傍らに立ち、満足げに微笑んでいる。
「成し遂げたな」
誇らしげな声。フィンも嬉しそうに跳ね回る。
この魚はもう湖に害をなさない。むしろ、湖の均衡を回復する助けとなる。任務の次の段階が気になる。
「今こそ、この魚を湖の心臓へ戻す時だ。だが、それはお前の知る湖ではない」
アラリックが浄化された魚を眺めながら言う言葉に驚く。
「湖の真の心臓は別次元に存在する。この洞窟に隠された古の通路から到達できる」
アラリックは説明を続け、これまで気づかなかった広間の壁を指さす。
壁面に「通路」の記号が浮かび上がる。この記号は本で見覚えがある。新たな旅の始まりを示すものだ。
この通路は、古の湖のクリスタルと浄化された魚の力によってのみ開かれる。アラリックはこの知識の重要性を強調する。
任務の重大さが再び肩にのしかかる。これはもはや釣りの冒険ではない。次元を超えた旅だ。そして私は、その準備ができている。




