安全な港と新たな戦略
洞窟の入口で息を整える。心臓はまだ激しく鼓動している。この遭遇は、ヴェリディアン・リアルムズでの私の予想をはるかに超えていた。緩やかな冒険は、いまさらながら深みを増している。
急がず洞窟から離れる。日の出と共に、山岳地帯の寂寥感が一層際立つ。安全な場所を見つけなければ。
馴染みの湖畔に戻る。慣れ親しんだ水面が、安堵の感覚をもたらす。釣り竿を横に置き、砂の上に寝転がる。この平穏が心に染み渡る。
先ほどの出来事を振り返る。魔物と釣りの技術で戦うとは。かなり荒唐無稽な状況だ。だが同時に、古代釣法の強力さを証明するものだった。
もしかすると、このスキルは単なる釣りのためだけではないのかもしれない。自己防衛にも使える可能性がある。この考えが、心に新たな可能性を開く。
「自然と一体となること」
司書の声が思い出される。これは単なる哲学ではなく、力の源でもあるのだ。
数時間休憩する。太陽が昇り、湖面がきらめく。この静けさが、新たな戦略を練る時間を与えてくれる。
洞窟に戻る必要がある。だが今度はもっと準備を整えなければ。同じ過ちは繰り返したくない。
エルリックの店で新しい釣り餌を調達しよう。魔物を鎮静させる特殊な餌があるかもしれない。ゲームならそういうものもあるだろう。
インベントリを確認する。多少の金はある。新しい装備を買うのに十分かも知れない。
釣りの腕をさらに磨かなければ。より高レベルの魚は、より強力な釣り糸を意味する。それは魔物に対しても有効だろう。
この事件は、ヴェリディアン・リアルムズで釣りだけしていれば安全というわけではないことを教えてくれた。時には予期せぬ事態にも遭遇する。
スローライフの哲学は変わらない。ただそこに新たな層が加わっただけだ。平穏に加え、準備万端でいることの重要性を学んだ。
湖面に降り注ぐ陽光を見つめる。この世界は、想像以上に豊かだ。そして私は、その豊かさの一片一片を発見する準備ができている。




