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月光の粉の謎

フィニアンの言葉が頭の中で響く。「謎の集団」と「太古の力」。私の素朴な釣り冒険が、思いがけない深みを帯びてきた。


インベントリの中の月光の粉を見つめる。小さな袋の中のきらめきは、普通のゲームアイテムとは違って見える。


この粉は本当に何に使われるのだろう?エルリックが話していた秘密の集団と何か関係があるのか?


私は湖畔での日常を続けている。だが今では、釣り竿を投げるたびに、心に新たな疑問が浮かぶ。


数日間、月光の粉について調べようとする。ゲームのデータベースを漁り、収集スキルやアイテム制作について研究する。しかし、この粉に関する明確な情報は見つからない。


非常にレアな、あるいは隠されたアイテムなのだろうか?この状況が、私の好奇心をさらにかき立てる。


ある夕暮れ、エルリックの店に戻ることを決める。彼ならこの粉についてもっと知っているかもしれない。


街に向かう道で、街の喧噪はもう以前ほど異質に感じられない。


エルリックの店に入ると、新鮮な魚と木材の香りが再び迎えてくれた。エルリックはカウンターの向こうで、手にした釣り竿を点検している。


「また会えて嬉しいよ、若き釣り人。釣りの調子は上々のようだな」

「はい。あなたのおかげです」


そして本題に入る。インベントリから月光の粉を取り出し、

「この粉について何かご存知ですか?」

袋を差し出す。


エルリックの目が輝く。顔に軽い驚きが浮かぶ。

「おお、これは本当の月光の粉だ」


袋を丁寧に受け取り、中の粉を調べる。小さな袋が大きな宝物であるかのように。


「これは非常に珍しい物質だ、坊や。その用途を知る者は少ない。だが…聞くところによると、街の北に古い修道院がある。そこには古代の知識を守る集団がいる。彼らはこのような神秘的な物質に興味を持つだろう」


彼は私を真っ直ぐ見つめ、声を潜めて言う。


修道院?古代の知識?これは私の平和な釣りルーティンをはるかに超えた冒険だ。


「そこに行くべきですか?」

質問が自然と口をついて出る。


「そうするのもいいだろう。だが注意しなさい。そこへ至る道は危険に満ちているかもしれない。この粉は彼らの注意を引くかもしれない」


エルリックは微笑み、月光の粉を返してくれる。


粉を再びインベントリに収めると、胸に緊張感が生まれる。


「危険」という言葉は、私がヴェリディアン・リアルムズで求めてきた平穏とは相容れない。だが好奇心がそれを上回る。


この修道院の集団は、エルリックが話していた秘密のグループなのか?そしてフィニアンが語った太古の力と何か関係があるのだろうか?


店を出ると、街の雑踏が今回はより鮮明に感じられる。


もしかすると、この粉は私の釣り冒険の予期せぬ転換点になるのかもしれない。


修道院への道は、湖畔の静けさとは似つかないだろう。だがこの謎が、私を強く惹きつけている。

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