表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

2/46

ロンダム伯爵家①

数日前――


「ハレアちゃん!パパがハレアちゃんに一番釣り合う最強の結婚相手を決めてきちゃったよ~ん」

 そう言ってハレアに頬ずりしようと顔を近づけ全力で嫌がられている彼はラルベス・ロンダム伯爵、ハレア・ロンダムの父である。

「ちょっ!パパ!髭痛いからやめっ!」

 ロンダムは嫌がられても懲りずにハレアに抱き着こうとする。

「やめろって言ってんだろぉぉぉおおおおお!!!!!」

 ハレアは指を『パチンッ』と鳴らすと手からは凄まじい量の水が渦を巻いてラルベスの頭部へと巻き付いた。

「ハレッアッ!ちゃあっ!ゴボッ!パパッッッ!死んじゃッ!ゴボボボボボッ……」

「やめてって言われたらやめるのなんて幼児でも分かるのに!パパはいつも!」

 ハレアがもう一度『パチンッ』と指を鳴らすと水は床へと落ち、ラルベスは全身ずぶ濡れになった。

「そうですよ、お父様。ハレアはもう18歳なんですから。立派な女性ですよ、いつまでも子ども扱いはやめていただきたい」

 そう言いながらハレアの腰に手を回し、自分の胸元へと抱き寄せるソレート・ロンダム。

「お兄ちゃんもやめて!距離が近い!」

 ハレアは兄であるソレートのことも手で押し、突き放した。

「ねぇね、パパとにぃにとなんかより僕と一緒にお庭で遊ぼ?お池におじゃまじゃくしいるんだよ?」

 ハレアは目線を下げるとスカートを引っ張る弟のジュード・ロンダムが彼女へ上目遣いをする。

「そうなの?じゃあ一緒に行こっか」

 ハレアは目線を合わせるためにしゃがむとジュードは彼女に抱き着いた。

 そして、ハレアからは見えない死角で父と兄に向って口角を上げて笑う。

「勝った」

 声には出してないが、彼らに向けてジュードが言い放つ。

「ぉおん!?何がおじゃまじゃくしじゃ!?10歳がまだまともに発音できないんか!?ぉおん!?!?」

 ジュードに向けて威嚇する大人げない21歳児、ソレート。

「お兄ちゃん!?ジュードはまだ子どもなのよ!」

「子ども!?10歳は立派な大人ですぅ~!俺はおじゃまじゃくしなんて言うのは3歳で卒業しました~!」

「そうだぞ!パパなんて10歳の頃はおたまじゃくしを水魔術で空中浮遊させて遊んでたぞ!」

「はっ!?なんの自慢だよ!」

「僕だってやろうと思えばおじゃまじゃくし空中浮遊させられるもん!」


『パンッ!』『パンッ!』『パンッ!』




評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ