表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。

【ヒューマンドラマ】

「虐められる方が悪い」と人は言う。

作者: 小雨川蛙
掲載日:2025/04/12

 

 人間は本気で思っていた。


 虐められる方が悪い

 虐められるような性格でいるのがいけないんだ。


 彼らは本気でそう思っていた。


 反撃をしないからいけないんだ。

 はっきりと止めてと言えないからいけないんだ。


 彼らは本気でそう信じていた。

 いや、もしかしたらそのような考えの人類は多数派であったかもしれない。




 ある日。

 悪魔が一つの思い付きを試した。

 人類の認識を逆にしたのだ。


 つまり、強者は弱者に。

 弱者は強者に。


 多数派が少数派に虐められ、少数派の言動にビクビクとしながら元虐めっ子は過ごす羽目になった。

 少数派達は自分がかつてされていたことを忘れて多数派を虐めた。

 虐め続けた。

 自分達がどれだけ虐めても彼らは反撃をしてこなかったからだ。


 彼らは反撃をしなかった。

 止めてとも言わなかった。

 それほどまでに人間の社会は自らの種が築き上げてきた文化と言う構造を大切にしていたからだ。


 そんな様子を見て悪魔はため息をついた。

 もっと面白いものが見れると思っていたからだ。


 悪魔は飽きてその場を去った。

 わざわざ認識を戻すこともなかった。


 何故なら、悪魔にとって人類は全く変化していないように見えたからだ。

 そして、その認識は限りなく正しかった。


 今日も人間の社会で人々は言う。


「虐められる方が悪い」

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
 核心を突いた狙いにも、悪魔ですらアホらしさを覚える世情に欲出す人の業。  虚しき社会を映す鏡のようにも思えば、悪魔の如き考えも人の考えそのものなのだと気付かされますが、自身の悪業にすら気付こうとしな…
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ