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第十四話「新技」

 俺は今日が準一級術師になって二ヶ月が経過した頃だった。その時点で俺が解決した任務はおよそ五十五回にも及んでいる。さらに俺の実力は以前よりも高くなっていることが窺えるだけの成果が出ていた。これも全部は日頃の努力が積み重なって出来たことであると師匠は言う。


 そして俺は前回の任務である噂を聞いた。それは慎司に関連した話で現在の彼がどんな活動をしているのかぎ分かる内容が噂として取り上げられている。


 慎司は【サイゲンオール】と呼ばれる不正術師として裏社会の闇で暗躍する人間となっていた。それは【死神のシャドウ】が育成に励んで強くした結果が不正術師の間で大きな信頼を得る事態を招いている。さらに術式の精度まで上がっていると聞いた時から慎司が覚醒に近い予兆を秘めている事実は確かに存在した。つまり、もう直に覚醒を遂げる可能性を秘めた時点で彼の実力は一級術師に相当するとまで言われる存在に成り上がれるかも知れないと噂が不正術師の間に飛び交っている状態が窺える。そこで上層浜が立ち上げた【サイゲンオール退治部隊】を編成して全力で操作を行っていた。その組織は一級術師でもある煌村閃斗が準一級術師を率いて殺処分を下せる準備を整えている最中である。


「何で俺が入らなかったんでしょう? 上層部は何を考えているんですかね?」


「仕方ないよ。君は慎司と仲が良かった分だけ殺さないと判断したんだと思う。それは今の実力じゃなくて深く根付いた絆の方を考慮した上で決めたことだろう。上も君の気持ちを考えた結果が外される理由にもなるんだ」


「そうですかね?」


 俺はどうせなら自分の手で殺したくて上層部に申請してが、結果は通らないで拒否されてしまった。それも、俺との繋がりが強すぎることが原因だと告げられる。つまり、師匠が解釈した通りの理由が俺の参加を拒んでいた。実際は俺に殺されるのが本望かも知れないと考えた時から自分の参加が必須になることは確かだと主張しても上層部は認めない方針を取る決断を下す。それが気に入らなくても問題は起こさないように言われた。問題が起きた場合は俺の殺処分が決まる可能性が高くなる理由として準一級術師の地位を獲得した魔術師は実力がある時点で交戦を強いられた時の被害や正規術師の怪我あるいは死亡率が関わって来る。しかし、実際に俺は敵に回ることはしないと決めていた。だから、そこまで心配されても裏切らない自信がある。当然にも思える話だと考えられるが、それを警戒しているのが上層部と言う存在だった。連中の中に一級術師にも相当する魔術師が存在すると言われている。それも序列外として扱われているが、実際はとてと強くて真介さんと渡り合えるぐらいの実力を誇ることで有名だった。


「それじゃあまた連絡してくれよ。今度は相手してあげれるように時間を空けて置くつもりだ。その時は鍛錬に付き合ってあげるよ」


「ありがとうございます」


「またね!」


 それだけ師匠が言い終えた後で俺の自宅から出て行った。この時間帯は雪華も新たに見付けた職場に出勤しているからだと考えるのが普通である。雪華の就職先はコンビニのアルバイトだった。俺が稼げている分で雪華を養ってあげる代わりに飯の支度は欠かさないでやってもらう約束を交わして成立した話になる。


 そして俺は取り敢えずあらかじめ用意された雪華の手料理を頂いた。それは五目チャーハンである。雪華は料理を得意とする女性で彼女が作るご飯はとても美味しくて文句が言えないほどの出来栄えを誇っていた。


「ご馳走様でした」


 そんな風に俺が飯を食べ終えてから少し休憩を挟んだ後はトレーニングを開始する予定を入れた。これは日頃から心掛けていることで、これを怠れば体が鈍って死に追いやられる瞬間が訪れて後悔が生じる場合がある。それを迎えないためにも俺は日頃の鍛錬を続けて行く決心を抱いていた。これは欠かせない習慣と言える行いである。そんな自主性が強靭な肉体を作り出せる理由ともなる行為だと自信を持って主張することが出来るほどの成果が出ていた。


 最初に行う鍛錬はランニングである。これは基礎体力を付けるために続けている鍛錬の一つで、これを継続して日頃の活動をこなせる力をもたらしていた。


「これで5キロは走れたな? 残り5キロを走り抜いて行くぞ!」


 そんな気合いを入れながら俺はさらに同じコースを走り出す。速度は一定に保って行けるペースを維持することで体力を上げる目標の達成を目指した。


 十キロのランニングが終わった後で帰宅した子はの話である。家の玄関に雪華の靴が置いてあったのを見た時に帰って来たことに気が付いた。俺は真っ先にリビングに来ると、そこには雪華がソファで寝転がった体勢でテレビを見ている様子を見付ける。そこで俺が雪華が就いていた仕事のことで聞きたい話を尋ねた。


「おい、雪華? 今日は仕事に行かなかったのか?」


「ううん。同じアルバイト先の人と明日の仕事を交代して帰って来たんだよ。交代が出来る人が私しかいなくて困っていた仲間を助けるつもりでね?」


「じゃあ明日はちゃんと行くんだな?」


「もちろん。お兄ちゃんはトレーニングが終わって帰って来たところかな? 汗が凄いところを見ると鍛錬でもやっていたことは明らかだわ」


「まだもう少しの間はトレーニングを利用と思っているところだ。この程度で収まれないからな」


「お兄ちゃんの努力は凄く格好良いよ? この後も頑張ってね!」


「おう!」


 そんな風に俺は雪華の声援を受けてさらに頑張ろうとする気持ちが湧いて来た。それが今後のトレーニングに手を出す時のやる気に繋がることは確かであると思わされる。それに雪華を養うためでもあることが俺がさらなる強化を遂げる理由にもなった。


 そして俺は修行をする場所を提供してくれる受付で四時間コースを選んで取り敢えず引きこもる。四時間の特訓で己を鍛える成果が出た時の実感は任務で訪れることが多く存在した。この成果を迎えることで俺は任務をこなす力がもたらされる事実が生じていると見れる展開がいつになって起きても可笑しくはない。それだけの結果が俺の身に起きていることは確かであるが故に日々の鍛錬を怠らない努めは無駄ではないと言えた。


「取り敢えず以前は【砕牙の獅子】を相手に通常の打撃では怯まなかったけど、冷気を帯びることで確実にダメージが入った瞬間が見られた時点でこれが有効だと言える。この一撃なら相手がダメージを受けると同時に怯ませる効果を生み出すことまで可能になる。ならば、この先の任務でも活かせることは確かだな?」


 そんな実体験から得られた成果はこの先でも有効となる手段に変えられる点が凄く強力だった。冷気に耐性がない限りは冷たい拳が相手に触れた瞬間が激痛を与えることは反応から使える手段であると窺える。つまり、その攻撃は今から技名を付けるだけの価値が存在する判断が下さると言えた。


「これは【冷却鉄拳】だ。冷気を帯びた拳で殴る技にしよう。これは拳の触れた部位に強烈な痛みを伴う打撃が加えられることが特徴になる。これなら並みの相手は怯ませられる余地が出来る!」


 巡らせた思考が辿り着いた先は技として成立させる結果を生み出せた。これは技の一つとして扱われるだけの威力を誇る攻撃となって相手を倒す手段に使える事実がもたらされることに期待が込められる。


 そして戦闘パターンが搭載された人工知能で動かされる人形を使って実践形式の特訓を始めた。そこで【冷却鉄拳】を確実に決めることから訓練して任務の時に有効な攻撃手段に加える目的を果たせるために鍛え上げる。これが実際に人形が避けたとしても、その後で瞬時に対応を効かせた動きから次の攻撃を【冷却鉄拳】で決められる前提を考慮した訓練を積んで行った。人形はとても頑丈に出来ているため、少し威力が高い攻撃が及んでも壊れる心配はない。それを活かして次々に攻撃を加えて当たる確率を上げる訓練が続いた。


「おりゃぁ!」


 どかーん!


 動きの中で拳に冷気が帯びる速度に磨きを掛けて即座に殴れる練習に入っていた。そこで時計を見た時にそろそろ四時間が経過する頃を針が示したところで終了を知らせるアナウンスが鳴る。


『氷城冷斗様! 終了の時間を迎えましたので、引き上げる支度を進めてください! 残り五分で出られない場合は使用規定に違反したことになる可能性があります。速やかに受付まで来てください!』


「マジか? もうそんな時間になったなんてな……」


 そして俺は二分で部屋から出る支度を済ませた後で受付の係がいるところに向かった。そこで利用した際の使用金額を払って帰宅することに決める。帰る前にコンビニで雪華にアイスでも買ってあげる決意をした時に何が食べたいかをラインで聞いてみた。すると、ソフトクリームで良いと返事が来た通りのアイスを購入して帰る。


 そして俺は帰宅した後でご飯を食べる時間を迎えた時に空腹を満たして明日の任務に備えた。任務は風呂から出た後になってスマホを見た時の画面に表示されたメッセージを受け取って内容を知る。事前に任務を受ける際は選択しないで向こうが定める方針で契約していることが理由で勝手に決まった。向こうの判断で任務が決まる方針を取ることでお給料が少し増える傾向がある。つまり、俺に選択権はなかった。


 次の日。俺は決まった時間に起きて任務に向かう支度を進めた。任務の場合は時間厳守で行動することが定められている。これを破った場合は上層部から任務を受けられる回数が減って最終的に守る気がないと判断された時は解雇を強いられる規定で魔術師は成立していた。これを守らない魔術師の信頼は損なわれて任務が任せられなくなる事態に及んだ実例は未だに存在しない。しかし、見込みがない奴は上層部の判断で解雇を受ける場合があった。それも一級術師が解雇を要求する場合もあって上層部が理由を聞いて納得した時は実行されることが稀に存在する。それを受けたのが慎司だった。


 そして俺が受けた任務は徒歩で行ける場所にあるため、今日は車に頼らないで向かう選択をしている。現場に到着した瞬間に見つからないように心掛けて尾行することが今回の任務だった。相手は組織と関係が強いと報告された人物でかなり危ない薬物を売り捌いていた罪状が課せられている。


 受けた任務の内容を着実にこなした俺は最後に尾行して来た相手を速やかに捕らえた。大した術式が使える訳でもない非術式がだったことが理由で捕まえて連行するまでの行為は簡単にこなせてしまう。


 その後で任務が無事に終了したことを上層部に報告してうちに帰った。帰宅した後は余った時間を使って再び昨日と同じ部屋を借りて特訓に励んで鍛え上げて行く。

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