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ep.34 マレー沖海戦3

今回の話読む前に、下のことは知っといたほうがわかりやすいと思います。


徴集:検査で兵役に適すると判断された者が兵役に編入されること。


招集:何等かの目的のため、軍を離れている者を呼び寄せること


動員:軍隊の平時→戦時の移行


復員:軍隊の戦時→平時の移行


また、今回の話を書く上でこの動画がめちゃくちゃ参考になりました。投稿者さんありがとうございました。


https://www.youtube.com/watch?v=jFWJdNnX9AM

「シュヴァルベ級に極めて酷似した新型艦を確認!」


「リバースエンジニアリングされたか...だが第一世代空中艦などこのゼーアドラー級の敵ではない! 絶対安全距離を維持しながら時間を稼ぐぞ!」


突如ロシア方面から現れた東ユーラシア連邦軍、要するにモンゴル・ロシア・清の連合軍は教皇国が防空識別圏と定めた領域に侵入。直後、警備艦隊のゼーアドラー級がスクランブルし警告を試みたが有無を言わさず12.7cm砲を浴びせてきたため明らかな侵略行為と断定。

また、同時に21世紀で言うジュネーブ条約やハーグ陸戦条約にあたるような戦時国際法を定めた条約を除く、不可侵条約を初めとした各種条約全ての破棄と宣戦布告を通達された。

通常ならば空中軍が主力艦隊を派遣し撃滅を試みるところだが、決戦のために半数の戦力を東南アジアに移動させていたことに加え、アラスカの監視任務のため整備、任務、休息、訓練のローテーションを行っていた空中軍に即応戦力など無く、海軍によるミサイル攻撃での撃滅が選択された。


「後方に高速飛翔体を確認! 海軍のターターです!」


「着弾に合わせて我々は撤退する! IFFの動作は問題ないな?」


「IFF正常に稼働しています」


「ターター着弾まで5、4、3、2、1、着弾!」


遠くに僅かではあるが光点が出現する。


「おもーかーじ120度! 発煙弾発射!」


こうしてゼーアドラー級は無事に撤退に成功。またターターミサイルの詳細なデータを持ち帰ることにも成功した。


「ゼーアドラー2隻、艦隊上空を通過」


「よし、今度はIFF機能無しのターター含め全弾発射するぞ! 今回の一撃を持って敵空中戦力を撃滅する!」


艦隊司令が方針を言うと、艦長以下砲雷長などが細かい指示を出していく。


「ターター、1番から32番まで選択」


「ターター、1番から32番まで選択!」


「撃ちーかた初めぇ」


「撃ちーかた初めぇ!」


フリゲートなど小型艦を除き、艦隊を構成する全ての艦に搭載された32セルのVLSから、ターター同士の接触を避けるため、5秒間間隔で次々と発射されていく。

ここでミリオタなら違和感を感じただろうが、なぜターターミサイルシステムなのに複数発同時発射が可能なのか? という点である。

その答えとしては、母艦から誘導しているのは2発のみであり、他の30発はその2発の出す特定の周波数の魔導を追尾しているだけであり、2発が撃墜されれば他のミサイルも全て誘導が止まり直進するだけになってしまう。


「敵弾探知! 到達まで400!」


「先の攻撃で被弾した艦及びワイバーン搭載艦は下がらせろ!」


マッハ2に近い速度で飛翔し、60~70%と砲弾に比べ極めて高い命中率を叩き出すターターミサイルによる攻撃に東ユーラシア連邦空中軍は苦戦していた。


「消化完了! 航行に支障はありません!」


しかし、対空機関砲などによる迎撃が難しい一方で、装甲の硬さに定評のあるシュヴァルベ級のコピーであるガングート級に対しては一撃での撃沈は難しく、運が良ければ旗艦を停止させて着水させられる程度であった。


「対空榴散弾撃てぇ!」


側面から飛び出した8.8cm砲及び複数の対空機関砲による対空戦闘で3分の1ほどの撃墜に成功する。

なぜマッハ2に対してここまで撃墜できるのかというと、誘導されているミサイルが撃墜されるとそのミサイルに追従している15発ほども無力化されてしまうからである。

もっとも、仕組みを知らない彼らは榴散弾による破片がレーダーなどの精密機器を破壊したのだと思い込んでいるのだが。


「側面に被弾! 中破しました! ですが航行に支障はありません!」


「上出来だ! 他の艦も耐えられているようだし、敵が撃ちきったミサイルを補充する前に前進するぞ!」


ーーーーーー

「防衛計画第4号を発令!」


「民間人の退避未だ60%!」


「予備役の招集はなんとか90%まで完了しています!」


「予備役の招集が完了した部隊からすぐに出撃させろ! 防衛線をすぐにでも補強したほうが良い!」


あまり拡大政策に積極的ではない教皇国の人口は50万程度であるため、強大な国力を有する国家から自国を防衛するために20〜50の男性は全員予備役として日々訓練を受けている。

それは陸軍だけに留まらず空中軍や海軍においても防衛用戦力のほとんどを予備役で賄っている。

予備役として常に稼働可能な状態を維持され日々近代化改修なども行われているシュヴァルベ級に、招集された予備役将兵が乗り込んでいく光景がそれを物語っているだろう。


「第22防衛艦隊動員完了しました」


「第8防衛艦隊動員率60%、あと二時間程度はかかるかと」


教皇国空中軍及び海軍では、常備軍である主力艦隊と、主に予備役で構成される防衛艦隊、そして平時の主力艦隊の負担を軽減させるための警備艦隊がある。

また、普段は貨物船や客船、魔力資源輸送船といった商船として運用されているシュヴァルベ級の派生型及びその乗組員は、予備主力艦隊に配属されており、戦時には大砲や装甲を取り付け、主力艦隊として運用される。

なぜ予備艦隊では無いのかというと、普段からシュヴァルベ級ベースの商船に乗っている彼らは操艦に関しては職業軍人に劣らなく、射撃についても海賊の運用するワイバーンから自衛するための小口径砲などを普段から扱っているため主力艦隊ほどの扱いでもあまり困らないのだ。

また、貨物船や魔力資源輸送船については主力艦隊が遠征する際に補給艦として使用したいという思惑もある。


「教皇国の本気を見せてやれー!」


「野蛮人共を蹴散らしてやれー!」


十八歳以下の子供達が出撃していく艦隊を見送る。

空を埋め尽くすような艦隊は今にも敵が驚いて逃げ出しそうな程頼もしかった。

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