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ep.2 権力闘争

放送室を占拠し、全校に声明を発表する。


「人民諸君! 我々は救校軍事会議だ!

現在この学校の敷地以外全てが草原と化している。これは明らかな異常事態であり、人類が初めて目の当たりにする光景であろう。だがそれに驚いている暇など無いのだ!

電気はソーラーパネルから供給されているようだが、現状それ以外の資源や物資は永続的に確保できる保証がない!

これは早急に解決せねばならない問題なのだが、戦争や災害などの非常事態時に素早い対応をするにはは大権を持った指導者が必要不可欠だ。

そして現在学校に指導者はいない。

そこで、我々はこの異常事態下において、人民を安全に保護するため、秩序を復活させるため、今後一時的に学校を統治下に置くことに決定した。

無論、一段落した後には民主主義を復活させる。

是非人民諸君には我々の指示に従ってもらいたい。

我々はある架空世界において何度も国家運営の実績を積み重ねたベテランの集団だ。

必ず、この異常事態下でも人民諸君を正解へと導いてみせる!」


無機質な合成音声がさぞ命があるように抑揚をつけて長々と演説した。

ちなみに架空世界というのは某第二次世界大戦の戦略ゲームだ。


「開けんかーいゴラァ!」


「はよ開けんかーい!」


ガタガタ、とドアをこじ開けようとする音が響く。何事かとドアの窓から外を覗くと、椅子や鉄パイプで武装した生徒会・広報委員会連合が放送室に突入しようと、構えていた。


「ちょ、開けるから!」


「やかましい、はよ出てこいゴラァ!」


「はよ開けんかーい!」


「開けんかい!開けんかいゴラァ!」


開けた途端、広報委員会が先頭となって次々に暴徒が放送室に乗り込んできた。

よくもまぁ混乱の原因を増やすような行為を平然とできるなぁ…


とはいえ、こっちはインドアの自宅警備員集団。

アウトドアの学校お飾り警備員の連中には勝てるはずがない。

一応自分と重度のミリオタ数人は長期休みによくサバゲーに参加していたため体力はあるが...それ以外は軟弱なのではなんせ数的不利だ。

勿論、ミリオタ集団が銃を持った瞬間に戦闘力が格段に上がるのは間違いないが、日本の学校に銃がある訳がない。よってここで戦うのは愚策。講話の方向で行こう。


「え〜皆さんお怒りの理由はわかります。今までトップだったのに得体のしれない連中にクーデターを起こされたのですから」


ここは一旦共感しておいて…


「ですが、我々があの放送をしなければあなた方はこんなにも早くここに集結しなかったでしょう。ダラダラと時間を浪費した可能性が高い」


「ま、まぁ確かに...」


「それにしても少し横暴じゃないか...?」


「いや、でも仕方ないのでは?」


最初は武器とは言いがたい装備を構えていたが、もはやほとんどが油断している。いいぞ、この調子だ。


「まぁ、こんな狭い放送室で話しても仕方がないですし、大教室にでも行きましょう」


ーーーーーー

大教室


生徒会長の松尾が声を荒げた。


「あんなクーデターまがいな行為で権力を握ったやつに学校を任せれるか! ナ◯スと同じじゃないか!」


おっとそれは違う。

ナ◯スは一応選挙をやっていたぞ。そして国民の大部分が支持していた。

何の支持もない我々と違い、羨ましいことだ。

まぁそんな常識を揚げ足取りのように見せびらかしても仕方ないので無視して反論しよう...

そう思った矢先、今まで沈黙を守っていた先生陣に先を越された。


「強引になってしまうのは仕方ないでしょう。なんせ彼らの言う通り時間がないんですし、権力争いなんかよりもっと重要なことを話し合いましょうよ」


理科の先生らしい合理主義。素晴らしい、めちゃくちゃ良いタイミングだ。


「んで、どうするん?まず水とか食料とか確保しないとお先真っ暗だぞ」


お飾りのつもりで連れてきた彼だが一気に空気清浄をしてくれた。名は...荒鬼洋平だったな。


そしてなんやかんやでスムーズに会議が進み、

体力に自身があるやつは自転車で情報収集、

それ以外は防災倉庫から物資の分配、

そして救校軍事会議と生徒会連中と先生はこのまま会議ということに決定した。

いや~ここまで長かった。

あとは邪魔者の排除策を練るだけだな...

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