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侵略者の夏やすみ  作者: 碓氷烏
第十一話
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第十一話18

「まったく、あなたも人が悪い。彼が生きていたのであれば素直に良かったと言えばいいのに……」

 マリアの傍らでミコトたちとの会話を聞いていたフリードがため息混じりに彼女に問いかける。

「あなたも知っているでしょ?アタシがそんな柄じゃないって。ここでアタシが取り乱したら全て水の泡になりますわ。それよりも変更プランは皆に行き届いているかしら?」

「滞りなく。ただオルティアが……」

「彼女がどうしましたの?」

 額に手を当て深いため息をつくフリードにマリアが問いかける。

「いえ、やっとジェイドを倒せるって言って既に警護10人ほど始末しているそうですが、報告によるとどれも原型を留めていないほどみたいで……。彼女のことですからそこは計画に支障がないよう隠密に行っておりますが」

「はぁ~~、彼女にも困ったものですわ。まだ力は温存するようにと言ってありますのに。……でもやっと復讐を果たせるんですもの、彼女の押さえられない気持ち理解しないでもないですわ」

 マリアが地球に来る時、不測の事態に備えてフリードとオルティアを連れてきた。

 マリアがシスカを追っていた間、二人は船での待機を命じられフリードはタルーヴァの情報収集で忙しかったが、戦闘に特化したオルティアはその間何も出来ずずっとうずうずしていた。シスカと再会したときなんて力が有り余りすぎて下手をすれば本気でやりあっていたかもしれない。

「あの子には悪いことしてしまいましたわ。地球で一緒に行動させてあげたかったのですがコントロールが利かない彼女を街に連れて行ったらどうなっていたことやら……、あの坊や3回ぐらい肉塊になっていたかもしれませんね。フフフ……」

 それもそれで見たかったかも、と言わんばかりの笑みを浮かべるマリア。

「それ以上余計な仕事増えてしまったらわたしが壊れてしまいます。計画に支障をきたしたらどうするんです」

「それをうまく隠すのがあなたの仕事じゃないですの。フフ、これまでの働きぶり信頼してますわ、フリード」

 と、彼の背後からそっと抱きしめるマリア。

「はぁ……その言葉に突き動かされるわたしもわたしですね。元よりわたしの心はあなたに捧げております」

「フフ、よろしい」

「んっ?どうやらオルティアも準備が整ったみたいです」

「そう、あの子も無事果たせたようですわね」

 そしてマリアは目の前に出したスクリーンからあるボタンを押す。すると各地のカメラの映像が映し出され、そこにはアズールの構成員たちが今か今かと待ち構えている。その中にミカドへ急ぐミコトたちの姿も映っていた。

「さあ皆さん、聞こえてますかしら?ピースは全て揃いました。この戦い、絶対に勝ちますわよ!!」

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