確認しました
名前の入力が終わると、チュートリアルが始まる。
ふむふむ。なるほど。なるほど。
チュートリアルが終わると、待ち受け的な画面が表記される。
といっても、四角い画面の中に、二つの丸があって、それぞれ「図鑑」「アイテムボックス」と表記されている簡易的なのだけど。
あっ、やっぱり図鑑は図鑑で、ボックスはアイテムボックスだったんだね。
それは別に構わない。
ただ、簡易的なのは……β版だからなのだろうか?
ここにこだわる時間がなかった可能性がある。
正規版で改善されているかはわからないけど。
まあ、これはいいとして、チュートリアルで見たけど、実際に確認しておこう。
まず、図鑑の方。
これは、そのまんま。
鑑定したモノ、アイテムボックスに入れたモノの情報が、自動で図鑑内に登録され、アイコンとして表示される仕様。
一応、「ALL」「消耗品」「武具」「魔法」「特殊」「魔物」と分類分けされていて、それぞれ「種類別」「あいうえお順」と並べ替える事もできるようだ。
ただ、それだけなら普通の図鑑だが、これは違った。
チュートリアルによると、登録されているモノを「複製」できるらしい。
だからだろうか。
図鑑を開くと、左上にお金の投入口があって、その横には「金貨 0 銀貨 0 銅貨 0」という表記がある。
この表記を信じるなら、金貨が一番価値のある硬貨のようだが……それをいきなり所持金の半分も持っていかれた事を思い出す。
どうにかしてやらか神から回収したいが、なんだかんだとこれからも搾取されそうで怖い。
その証拠という訳ではないが、これもチュートリアルによると、基本は普通に手に入れるより安いが、モノによっては割高となって、相応の金がかかる場合もあるそうだ。
割高、相応って部分が曲者だろう。
試しに、そこらに落ちていた木の枝を鑑定。
『 ただの木の枝
用途多数の木の枝。オススメの使用方法は、手に持って振り回す事。
それだけで心の中に勇気が湧き上がり、強くなった気になる。
折れても大丈夫。代わりはそこらに落ちているから。 』
勇気が湧く……あとで手に持っていようかな。
じゃなくて。
図鑑に登録されているアイコンを押して、複製を選択。
「複製しますか?」という表記の下に情報が出る。
『 ただの木の枝
複製金額 銅貨 1枚 』
その更に下に、「YES/NO」選択があったので、「NO」を選択。
金も入れてないし。
チュートリアルによると、複製したモノは自動でアイテムボックスの中に納入されるらしい。
「図鑑」は、こんな感じだった。
次に、「アイテムボックス」を確認。
基本はその名の通り、アイテムボックス。
いや、正確には、アイテムボックスにちょっと便利な機能を付けた感じ?
アイテムボックスの機能に関しては、時間停止に、いくらでも入るのはよくある事として、使用する際は、直接触れて「収納」と言うか念じるだけで、入れると画面内にアイコンが表示され、出す際はそのアイコンを押して「搬出」を選択するだけ。
例によって、入れられるのは無生物のみ。
大地に根付いている木は不可能だけど、大地から切り離された木は収納可能という感じ。
こういうのって曖昧な部分がありそうだから、収納できるからできて、できないからできない、くらいの感覚でいいのかもしれない。
あと、「廃棄」もできる。
試しに、そこらに落ちていた木の枝を収納して、「廃棄」してみた。
結果……消滅しました。
……どこにいったんだろう。謎。
で、便利な機能というのは「変換」。
前提として、まずマルチボックス内に入っている物じゃないと使用できない。
言葉通りの機能で、マルチボックス内に入れているモノを、「上位変換」か「下位変換」できるというモノ。
試しに金貨一枚をマルチボックス内に入れる。
「上位変換」はできないが、「下位変換」は可能。
「下位変換」を選択。
銀貨100枚に変わった。
その銀貨100枚を選択して「上位変換」すると、金貨1枚になる。
等価交換……だと思う。
ただ、金銭はそういう価値がしっかりしているけど、曖昧なモノになると……怪しい気がする。
怪しい結果を簡単に言えば、そういう場合は元に戻る可能性が低いという事だ。
たとえば、土でできた壺があったとして、「下位変換」で土に戻す事はできても、そこから「上位変換」で壺にはならない気がする。
土の用途は幅広いしね。
そこら辺は意識的にできるのだろうか?
試すために地面に触れて「収納」と念じてみる。
……何も起こらない。
当然、収納もされていない。
……もしかして。
試しに、ちょっとだけ手で掘って、両手ですくい上げた土を「収納」と念じてみる。
「少量の土」として、収納されていた。
この状態で、「上位変換」と「下位変換」は選択できない。
……さすがに試すだけの量を掘るのは面倒だ。
多分、考えていた事は間違えていないと思うから、今のところはそう結論付けておこう。
なので、用途が限られている場合、もしくは代替えや補充ができるのなら試しに選択しても問題ないけど、一品ものとかだと迂闊に変換しない方がいい、という方式でいこうと思う。
これが、やらか神が俺用として作り出したスキルである。