完成しました
ゴーレム製造計画は順調に進む。
デザイン画をシャシャシャッと書き上げた。
その間もドリューは狩猟時間で素材を集め、シャールさんは必要な魔力回路を作り出していく。
基本は木材になってしまう。
何しろ、こんな場所で鉄とか鋼とか、スーパー合金とかゲ〇ター線とかガン〇ニウム合金とか手に入る訳がないので。
なので、木材をベースに、魔物素材で補強するような形だろうか。
幸いというべきか、ウッドゴーレムという存在は既に確立しているそうなので、ゴーレム自体には問題ない。
そうして、俺、ドリュー、シャールさんによるウッドゴーレムができた。
大きさは、ちょっと見上げる程度。
俺の1.2か1.3倍くらい。
それくらいで落ち着いた。
外見に関しては、人型の全身鎧を装備しているような外見なのだが、正直どう言えばいいのだろうか。
さすがに参考をそのまま使用せず、この世界の騎士の恰好というのをシャールさんに聞いてからデザインを描いていったのだが………………ものすごく簡単に言えば、エスカフ〇ーネに近付いた気がする。
騎士型にしようとしたら……まあ、大体あんな風になってもおかしくないよね?
もちろん、他にも参考にできそうなのはあるけど、結果的にこうなった。
で、当然、両腕両足部分に回転する部分はある。
いや、実際に回転させる事もできるんだけど……強度的な問題で戦闘に使えない結果となった。
どれだけ強化しようが、所詮は基本木材だもんね。
仕方ない。
……ロマンの結果という事にしておこうと思う。
せめて鉄があれば……いや、あっても結果は同じだっただろう。
製鉄技術がないというか、ドリューは彫刻師であって鍛冶師じゃない。
鉄があっても加工できないのだ。
人材も施設もない。
……まあ、鉄であっても強度の問題はついて回るだろうし、飾りでも充分だ。
俺は満足である。
……いつか、必ず。
それと、エネルギーに関しては、前に考えた通りだ。
俺。
エネルギーの蓄え場所は、メインとサブがあって、メインが神器で、サブが魔石。
魔石に関しては、元々魔物素材の一つなので、ドリューの狩猟時間で入手済だった。
エネルギーの回復範囲は大体5mくらい。
メインが切れたらサブに、サブが切れたら停止。
自然に流れる魔力で自動回復はできない。
というよりは、まだそのシステムは開発されていないそうだ。
まあ、メインの神器の容量は相当らしいので、そうそうエネルギー切れは起こさないと、シャールさんは言っていた。
それと、本当に残念なのだが、閃光雷〇撃的な必殺技は不可能だった。
エネルギーの問題はクリアしているのだが、身体の強度の問題で必殺技の負荷に耐えられないそうだ。
本当に……残念である。
でも、とりあえずこれで完成。
やったー! と俺、ドリュー、シャールさんでバンザイ。
「これからよろしくお願いします。マスター」
同じくバンザイをしている全身木鎧のウッドゴーレムが、俺に向けてそう言ってきた。
「……俺?」
「はい。自分の中に流れている魔力と同質で、繋がっているためにそう判断しましたが、間違っていたでしょうか?」
丁寧な口調の質問に、どう返せばいいのかわからない。
とりあえず、ドリューに確認。
その通りだと頷く。
シャールさんに確認。
その通りだと頷く。
「……そうみたい」
「では、改めて、よろしくお願いします。マスター」
「うん。よろしく………………て、喋った!」
俺たちは急な出来事に漸く追いつき、驚く。
いや、「生命の核」の説明にそれっぽい一文があったから、そうかも? とは思っていたけど。
それに、随分と流暢じゃない?
まあ、言葉を教えるよりはいいけど。
「というか、喋る機能付けました? シャールさん」
「いや、付けてない。普通ゴーレムは喋らない、というか、自動回復と同じでそういう機能はまだ開発されていない」
となると、やっぱり神器の力か。
なんでもありだな、と思うべきか、まあ神器だからな、と思うべきか。
とりあえず、確かな事が一つある。
「………………」
シャールさんから熱っぽい視線を向けられている。
多分、いや、間違いなく、神器というか、「生命の核」が欲しいと思っているな、これ。
そのためには、俺のガチャを回すしかない。
で、その資金は城に戻れば……。
「そもそも、回したところで『生命の核』が出るとは限りませんよ?」
用意してそうだけど。
「それでも、回さないと手に入らない。なら、回すしかない」
一つの真理のように、シャールさんは力強く言った。
いや、そうかもしれないけど……。
どうか、ガチャで身を滅ぼさないように、と思った。
まあ、俺が制限をかければいいだけだけど。
「それで、マスター」
「ん?」
「自分がゴーレムというのは理解できました。」
もう理解したの?
頭脳明晰過ぎない?
「できれば、マスターから名をいただきたいのですが?」
「名前……」
ドリューとシャールさんは、俺の好きなように、と口を挟むつもりはないようだ。
なので、考える。
木……ウッド……いや、今後の場合を考えて、木に限定するのはやめておこう。
………………。
「……じゃあ、騎士で神器を使用しているから、『騎士ジン』で、どうかな?」
問題なかった。
いや、問題は別にあった。
「それでマスター。この両手足の回る部分の意味は?」
「………………ロマン」
俺には必要だったと押し切った。




