学びました
戻りました。
余裕を書いてきましたが、ここからは一日一話投稿でいきます。
楽しんでいただけると幸いです。
ヴィリアさんの魔法講座を時々受ける。
魔法発動に魔力と呼ばれる力が必要なのは当然で、他に「詠唱」と「魔法名」が必要なのだそうだ。
魔力は、この世界で当然のように大気や体の中に流れている力。
自分の中に流れている魔力は、MPとして表記されている。
俺の場合は正確ではないけど。
魔法は自分の中にある魔力を消費して発動し、大気にも流れているので呼吸していれば自然回復するそうだ。
ただその回復は徐々に、であり、一気に回復するようなモノではない。
だからといって、一気に回復する手段がない訳でもない。
「魔力回復ポーション」なる飲み物で、ある程度は一気に回復するそうだ。
……危ない飲み物じゃないよね?
「言っている意味がわからん。ただまあ、ポーションにしろ魔力回復ポーションにしろ、一度に何本も飲む事は推奨しない。『ポーション酔い』と言って、酩酊に似た状態になる」
ノンアルコールだけど、たくさん飲むと何故か酔ってしまうって感じかな?
ヴィリアさんもこれまで何本も飲んだ事があるそうだし、体に危険なモノじゃないのなら別に気にしない。
俺の体もこの世界仕様になっているし、飲んでも問題はないだろう。
魔法講座の続きを受ける。
残る「詠唱」と「魔法名」に関して。
「詠唱」は、形のない魔力に方向性を示して、魔力に形を与える工程。
「魔法名」は。形作られた魔力を放つ引き金。
という事らしい。
つまり、「詠唱」と「魔法名」がしっかりしていて、放てるだけの魔力があれば、魔法を使えるという事だ。
俺は魔力量があっても、「詠唱」と「魔法名」を知らなかったから、魔法が使用できなかった。
それがわかっただけでも、ヴィリアさんの魔法講座を聞いた価値はある。
なので、ヴィリアさん監修の下、実践。
火系は危険なので、水系の魔法を唱える。
効果は、ただ水を出すだけ。
結果。短時間だけど雨が降った。
天気雨のような状態だった。
「……あっ、ヴィリアさん。虹が」
「……やっぱり、あんたに迂闊な魔法は教えられないね」
変な決意を固められてしまった。
―――
ヴィリアさんの魔法講座を受けて、ふと気になる事がある。
それは、アイテムボックスの機能「下位互換」で爆弾を解体した時の事。
それはいい。問題ない。
気になるのは、解体したモノの中に「魔力:20」というのがあった事だ。
単純に考えれば、魔力数値もしくは量が「20」あるという事。
確認してみる。
『 魔力(低質)
鍛え上げられてもいないし、練り込まれてもいない低質の魔力。
それでも魔力は魔力。
魔法や魔道具に対する還元率は低い。
もっとがんばりましょう、レベル。 』
通知表かな?
やっぱり魔力そのものだったようだ。
水がそのまま収納できたし、魔力ができてもおかしくない?
……まっ、できたんだから、できるって事で。
他にも確認すると、複製もできた。
『 魔力(低質)
複製金額 銅貨 1枚 』
最安値。
まあ、これを複製する事はないだろう。
試しにアイテムボックスから取り出してみると……特に何もない。
……いや、無色透明って事か。
ヴィリアさんの魔法講座によると、魔力は大気中に混ざっているそうだし、取り出した瞬間から大気中に混ざった、と考えるべきかな。
あと、気になったので、自分のも確認する。
自分の腕に触れ、触れている部分から魔力を感じさせる。
俺的魔力数値「1」を検知。収納。
……なんか減ったような、減っていないような。
よくわからないので、確認してみる。
アイテムボックス内に「魔力(最高神性)」というのが収納されていた。
……確認。
『 魔力(最高神性)
神の魔力。創造神の魔力。
通常の魔力に換算すると、一万倍の魔力となる。
最高峰で至高である。
大変よくできましたに花丸、レベル。
もしくは、100点満点で120点をたたき出すようなモノ。 』
最後のはよくわからないけど、とりあえず、普通ではないという事はわかった。
100点「満点」なんだから、120点は出ないでしょ。
それにしても、最高神性か……やっぱり、やらか神に会ったあの空間に馴染んでたってのが関係しているのだろうか。
というかこの文が正しいのなら、やらか神は創造神って事になる。
………………いや、たとえそうだとしても、俺の中ではやらか神だな。
他にもなんかやらかされていそうで怖い。
何故か安心できないんだよね。
とりあえず、俺の魔力についてヴィリアさんに報告してみる。
「……神の魔力、ね。正直、弱くできないんじゃ、力が強過ぎて扱いに困る部類だね。とりあえず、他のヤツに言わない方がいいよ。頭のおかしいヤツだと思われるから」
「頭おかしい……誰にも言いません」
ヴィリアさんは面倒な、と思っていそうだ。
その代わりといってはなんだけど、俺の魔力を喜ぶのも居た。
世界樹である。
俺の魔力を注ぐと喜ぶので、時々注いであげようかな、と思った。




