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着々と進みます

 とりあえず、ヴァインさんにはリュオと一緒に訓練場の整地をしてもらわないといけないので、お願いする。


「うむ。遊んだあとの後片付けは大事だ」


 そう言って、早速向かってくれる。

 了承してくれて何よりだけど、別に遊んだ訳じゃないよね?


「じゃあ、あとは任せたよ。こっちもやらないといけない事が多くてね」


 そう言って、ヴィリアさんはどこかに行ってしまった。

 ディナさんたちの旦那さんたち捜しが難航しているのかもしれない。


「では、ワシも依頼の武具を作らねばなりませんので。……槌を振るうだけだが、来るか?」


「勉強させていただきます」


 これといって必要な物はないが、作業場の製作は必要だと聞いたシュミットさんは、エレールさんを連れて行ってしまった。


「……いいんですか? エレールさんと別行動で」


「不滅の森の魔物ならまだしも、そこらの人間に遅れは取らん程度には鍛えている」


 自衛はできるって事か。

 なので、俺とヴァインさんだけで訓練場へ。


 訓練場では、訓練をしている人たちに交じって、リュオが整地していた。


「では、行ってくる」


 ヴァインさんが早速とばかりに向かうと、リュオがヴァインさんに声をかける。


「遅いぞ! 貴様! ここの跡はほとんど貴様が付けたのだから、貴様が率先して整地するべきだろう!」


「まったくもってその通りだ。遅れてすまぬ。ここからは自分一人でやらせてもらう」


「………………まあ、相手をしたのは我だし、やらないとは言っていない」


「感謝する。さっ、早く終わらせよう」


 訓練場の整地を行うリュオとヴァインさん。

 ……え? 何? どういう事?


「拳を交えれば仲間、という事ですよ」


 いつの間にか居たリュヒが、そう説明してきた。

 え? それって、河原でケンカしたら、もう友達みたいな?


 そんな理論ですか?

 老齢の執事さんも、わかります、と頷かないで。


 というか、それなら俺は?

 ……剣を振り回した憶えはあるけど、拳を交えた憶えはないな。


 とりあえず、またケンカしないのなら、別にいいか。

 仲がいいのは、いい事だ。


     ―――


 不滅の森に戻るまで、ヴァインさんとエレールさんは、俺たちと同じように城住まいとなった。

 ラロワさん的には、ヴァインさんに兵士や騎士たちの訓練の指導をお願いしたいようだ。


 それぐらいは構わない、とヴァインさんも了承。


 ヴァインさん的には、「神脚」に慣れる丁度いい相手ができた。

 指導を受ける兵士や騎士は、「武神」に教わる事ができて嬉しい。


 一応、Win-Winの関係……と言えるかもしれない。

 何も事故が起こらない事を切に願う。


 エレールさんに至っては、一応毎日帰ってきてはいるようだが、シュミットさんのところに入り浸っているそうだ。

 色々勉強しているのだろう。


 ただ、俺もヴァインさんにあるお願いがあった。

 共に不滅の森に来ると決めてから、一つのお願いがあって、それが可能かヴァインさんの部屋まで確認に向かった。


「ヴァインさん。一つお願いがあるんですけど」


「脚の礼として、自分にできる事ならなんでも引き受けよう」


「いや、駄目なら駄目で構わないんですが」


 そう前置きして、俺は騎士ナイトジンについて説明する。

 ヴァインさんにやって欲しいのは、まさしく訓練。


 ボディの方は、シュミットさんがやってくれる。

 素材さえ揃えば、ワンオフ機体に仕上げてくれるのは間違いない。


 ただ、いくら性能が優れている機体であっても、乗り手がヘボだと意味がないのだ。

 やはり、ワンオフ機体には、エースパイロットを乗せたくなる。


 ヴァインさんには、騎士ジンをエースパイロットに育てて欲しいのだ。

 それに、格闘タイプとなれば、元々のコンセプトである電〇の格闘もできるようになるかもしれない。


「……という訳で、お願いできないでしょうか?」


「ふむ。訓練を課すのは構わないし、面白そうではある」


 おっ、好感触。


「だが、ハクウくんは、そのゴーレムをどこまで強くしたいのだ?」


「どこまで? ……どこまで」


 うーん。指針がない。


 レベルとかがあれば、そりゃ99までいて欲しい。

 ステータスだけじゃなく、スキル全付けレベルMAXに、地形適正もオールSが理想。


 と言っても、ヴァインさんには通じないんだろうな。


「……正直なところ、まだ決まっていません。でも、シュミットさんが体を作るとなると相当だと思うんです。だから、少なくとも、破滅の山でも単独で活動できるくらい……かな?」


 それに達したかどうかは、リュオに聞けばわかるだろうし。


「なるほど。訓練は課そう。ただ、そこまでとなると直弟子として本格的に鍛えた方がいいと思うが、そこは直接会って確かめよう。話せるのだろう?」


「ええ、話せます。きっと気に入りますよ」


 いい子だからね、騎士ジンは。


 この話はここで一旦終わり。

 あとはヴァインさんが騎士ジンに会ってからとなった。


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