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授業
それからの授業はずっと佐藤と机をくっつけて受けた。
教壇に立つ先生からも目立つだろうし、何よりすぐ横に今朝知り合ったばかりの人間がいる状況に落ち着かずソワソワする。
いつもの授業中は教室の窓から外をぼーっと眺めていた。
校庭で体育をする生徒たち、流れる雲、揺れる木々、差し込む光、窓の外の景色は退屈な授業時間を忘れさせてくれた。
そんな時間に浸ることがとても贅沢に感じて好きだった。
しかし今日は、いつもの癖で横を見るとすぐそばに佐藤がいた。
その度に私は慌てて顔を前に向ける。
今日は疲れそうだ。




