幼馴染
体をゆさゆさと揺らされて目が覚める。
寝ている振りのつもりが本当に寝てしまっていたみたいだ。
重い体を持ち上げると、そこにはニヤニヤした園田の顔があった。
「あれ?ほんとーに寝てたんだ。おはよう、りき。もう予鈴なったよ。あと3分で授業だよ。寝たまんまだと先生にまた怒られちゃうぞー。」
「はぁ……」
「なにその反応酷い!せっかく起こしてあげたのにさ。」
ため息をついた私に園田はワンワンと文句を言っている。
「それにりきはいつも——」
「えっと、」
興奮する園田を遮るように佐藤が会話入ってきた。
「鈴木さんとのこちーさんは仲が良いんですか?」
「うんっ。幼馴染だからね。それにりきには僕以外に友達はいないよ。」
「そ、そうなんですか。」
その後も園田は私のことを勝手にペラペラと喋り続けた。
確かに彼女とは幼馴染だが、子供の頃から家が近所だっただけで、特別仲がいいわけでもなかった。
それに彼女は誰にでもあんな感じだ。
向こうも私に何か思うことがあるわけではないだろう。
「そいつ、のこちーなんて誰にも呼ばれてないけど」
園田と佐藤のほぼ一方通行の会話の合間に、ふと佐藤に話しかけると、二人は目を丸くして黙ってしまった。
そうなんですかと苦笑いする佐藤。
その苦笑いは誰に向けられたものだろう。
「あー、りき、やっぱり起きてて盗み聞きしてたな。変態っ!」
「いや、アンタは初対面の相手にいつもその嘘ついてるでしょ。」
「もーっ」と怒る園田をから目を逸らし、横目で見た佐藤は笑っていた。




