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小テスト

「りきりき!何点だった?」

九月の中旬、授業で小テストが返却されると園田が私の腕に飛びついて答案を覗き込んでくる。

「うわ〜……いつも以上だね。」

私の腕に抱きついたまま園田はそう言った。

1問10点の設問5つのテストで、私は50点満点中の2点だった。

「ゼロ点じゃないだけいいでしょ。」

「良くないよ!1問目の立式しかできてないじゃん!」

助けを求めて佐藤の方を向くと、私を憐れむような、それでいてどこか見下したような目で見ていた。

「ほら静かにしろー、まだ授業中だぞー。」

ざわつく教室に向かって教壇の高橋先生がパンパンと手を叩きながら言った。

「10点以下の人は来週再テストするから、ちゃんと勉強しとけよ。分かったか、鈴木?」

「いや、なんで私だけ……」

「10点以下の奴はお前だけだからだよ。」

そう言われると何も言い返せない。

「じゃあじゃありき、勉強しないとね!僕が教えてあげる。」

園田は嬉しそうにぴょんぴょんと飛び跳ねる。

「なんで嬉しそうなのよ。」

「りきと一緒に勉強できるから!」

「他の奴も、半分取れてないの多かったからな。中間テストまであとちょうど一月ぐらいなんだから、勉強しとけよ。担任のクラスが成績低いと俺の給与に響くからな。」

高橋先生がそう言うと授業終了を知らせるチャイムがなり、じゃあと高橋先生は教室を出て行ってしまった。


「りきって今週もちゃんと暇だよね?」

「なにちゃんとって。」

「勉強しなきゃ行けないから!りきは僕と一緒にお勉強するの!お勉強!」

なんとなく佐藤の方を向くと、彼女は顔をふんっと背けた。

「じゃあ決定だね!土日なんてどうかな?」

それを見た園田は嬉しそうにニコニコ笑いながら言った。

今週の土日、私は園田に勉強を教わることになってしまった。

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