新しい日常
9/10の金曜日、佐藤が転校から1週間以上たった。
当然、佐藤の加わった新しい日常にも慣れてくる。
授業中に窓の外を見ようとする癖はまだ抜けないが、私と窓の間にいる佐藤と目があっても、もう気まずさは感じない。
佐藤も私の視線に気がついても、一瞬横目を向けるだけで何も言ってこない。
そのままいつも通りの学校が終わり、放課後になる。
「りきー!今日の放課後あいてる?」
ホームルームが終わった途端に園田が声をかけてきた。
「別に予定はないけど、なんで?」
「今日僕と一緒にお出かけして欲しいんだ!ダメかな?」
「私はいいけど、予備校は?」
「今日はサボっちゃう!」
「そんなことしていいの?」
「えー、学校すらサボるりきがそれ言う?」
「それもそうか。」
園田は冗談だよと笑う。
「僕は優秀で授業料免除されてるからね!1日ぐらいサボってもバチ当たらないよ!」
園田は腰に手を当て満面のドヤ顔をする。
「園田さんって本当に成績優秀なんですね。」
「まーね!」
佐藤が感心したように言うと園田は勝ち誇ったように返事をした。
「しかも!昨日出た河合の模試で全国12位!パパからお小遣いも貰ったし、今日はそのご褒美。自分へのね!」
そう自慢げに佐藤に言った園田はくるりと私の方に向き直る。
「だからいいよね?りき。」
それなら1日ぐらいサボっても問題ないかと納得する。
それに園田なら予備校を1日休んだからと言って成績にすぐに影響はないだろう。
「それで、どこに行きたいの?」
「渋谷!」
「渋谷?」
「だって若者の街でしょ渋谷って。」
「どうなんだろう。」
若者と言っても私たちより少し上の年齢層のイメージだが、本人の希望だから叶えてあげるのがいいだろう。




