土曜日 2/2
車に乗った佐藤と別れた後、私は久しぶりに園田と一緒に帰る。
とは言っても、バス停までの8分間だけだ。
私と園田の家は徒歩圏内だが、園田は予備校があるからバスで駅まで行く必要がある。
「さっきは心配してくれてありがとう。」
私は歩きながら話しかけた。
「当然だよ。りきは優しいからね!」
「それに、ごめん。私が学校サボったから。」
「りきが謝ることじゃないよ!」
自信満々に園田は答えた。
「でも、ああいう態度はもうしないで欲しい。」
「え……」
園田は立ち止まり、表情が一変して暗くなる。
「ご、ごめんねりき。りき、僕のこと嫌いになった?でもただ僕はりきが心配——」
「違う違う!変な言い方してごめん。嫌いなんかになってなってない。」
私は園田の両肩を掴んでまっすぐ彼女の瞳を見る。
「私のことを心配してくれるのは園田しかいない。だから、アンタが私のせいで誰かに嫌われて欲しくないの。」
園田は今度は顔を真っ赤にした。
「私の代わりに怒ってくれたのもわかってる。それに、一昨日は心配されるような事はなかったから安心して。」
「うん……わかった。」
園田はしおらしく頷いた。
「今度一緒に謝ろう。いい?」
「うー……タイミングが良い時なら。」
そう言ってぷいと私から顔を背けた園田に私は思わずなにそれと笑った。
「じゃあ、結局何があったの?」
「学校帰りに佐藤んちに寄ったんだけど、急に泊まる事になって、夜更かしして寝不足だったから学校をサボって寝てた。」
「やっぱり絶対あやまんないっ!」
園田は大声で叫んだ。
きっとあまりの下らなさに驚いたんだろう。




