ダイニング
山崎さんに送り届けられ、鍵を開けて家に入ると空さんが玄関まで駆け寄ってきた。
「ねぇ、何かあったの?大丈夫?」
空さんは父の再婚相手だ。
私はただいまとだけ言って自分の部屋に戻り、部屋着に着替えてベッドに寝転んだ。
目を覚ますと既に夕方だった。
寝過ぎてぼーっとする頭を起こそうと体を伸ばす。
1日寝ていたせいで喉がカラカラだ。
飲み物を取りに階段を降りてダイニングに向かう。
ダイニングの扉の前に立ち、ドアノブに手をかけると、父と空さんの話し声が聞こえる。
「私からは強く言えないわ。」
「もう子供じゃないだ。いちいち言ってたらキリないよ。」
私がドアを開けダイニングに入ると、空さんは再びこちらに駆け寄る。
「りきちゃん、昨日はどうしたの?」
「友達の家に泊まってました。すみません。」
一瞬だけ立ち止まってそう答えると、空さんはそうだったのとだけ言った。
私はそのまま冷蔵庫から取り出した麦茶をコップに注ぐ。
父はいつも通りなにも言わない。
少しの間会話が消えたダイニングから出ようとした時、空さんに再び話しかけられる。
「とりあえず、泊まる日とかはできれば連絡くれると嬉しいかな……」
適当に返事をしてダイニングを出ると再び二人の会話が始まった。
私は麦茶を持って部屋に戻った。




