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シャワー
時計の針が2時を回った頃。
私はシャワーを浴びる鈴木を脱衣所で待つ。
お父様が来ても誤魔化す為だ。
手短にシャワーを済ませた鈴木が声をかけてくる。
「バスタオル取って。」
扉の向こうから伸びた手にタオルを渡す。
しばらくするとタオルを巻いて体を隠した鈴木が出てきた。
バスタオルの上からもわかる程に、長身かつ豊満な、かと言って不要な所に贅肉がない、コントラストの激しい体のプロポーションに無意識に目がいく。
「着替えるからそっち向いてて。」
「ご、ごめんなさい。」
彼女は再び制服に着替えた。
私のパジャマではサイズが小さかったからだ。
私たちは音を立てないように、息を殺して部屋に戻った。
暗い家の中を緊張しながら進む事は、まるでちょっとした冒険のようで少し楽しかった。




