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園田の子
4目の授業が終わり、昼休みになる。
「教科書のコピー、ありがとうございました。」
前の席に座る園田に声をかける。
「いーっていーって!いつまでもりきに見せてもらうわけにはいかないでしょ?そのコピーあげるから!」
「あの、それなら今日もお昼は——」
「の子ちゃーん!」
3人で食べましょうと昼食に誘おうとした時、それを遮って他のクラスメイトが園田に話しかける。
「の子ちゃんごめん!次の数Iの課題まだやってないんだぁ。教えてくれない?」
「もちろん!僕に任せてよ!」
園田は満面の笑みで答えた。
「あのぉ〜の子ちゃん、私はさっきの物理が……」
そうしているうちに、園田の机を取り囲むようにクラスメイトが集まっていた。




