とりあえず、街に買い物に出る。
やっと、スライムの核がある程度貯まったため街で槍を買うことにした。街までは、荷馬車で5時間かかる距離がある。街まで親の買い出しを手伝うことを条件に一緒に乗せて貰えることになった。
「やたら、体つきがよくなってやがると思ったら。まさか、森でスライムを1人で狩ってるとはなぁ。やるじゃねかぁ。」
親父が荷馬車を操縦しながらあきれ顔でスライムの核が入った袋を見ながら話かけて来た。
「家の手伝いもそれくらいやる気があれば、いいんだかなぁ。」
実家は、飲み屋を経営している。親父の料理が旨いためリピーターが多く村に一件しか飲み屋がないため客が毎日多く人手が足らないので俺も会計から接客、料理などをよく手伝わされている。
「毎回、酔っぱらいの相手は、ごめんだ。あいつら面倒くさし。」
「酔っぱらいの相手もろくに出来ないとは、まだまだ、ガキだな。」
この世界での成人は、17歳からのため13歳の俺は、十分ガキである。
「事実だし。何か?どうせ後、4年したら大人だし。それまで、好きにするさ。」
「口だけは、達者だな。」
道中、休憩を挟み昼過ぎに街に到着するとすぐ市場に向かい食材の仕入れをした。街道の交流地点でもあるため貿易が盛んで見慣れない物も多く掘り出し物が見つかることもある。とっとといつもの店で必要な食材を買い集め荷馬車まで運び自由時間を確保する。
「親父、スライムの核って何処に売るのがいいんだ?」
「そりゃ。ギルドか薬屋やじゃないか?あそこに黄色看板があるだろ。あれがギルドだから行ってみろ。」
指を指された方に二階建ての大きな建物があり、黄色看板に「ギルド」と書かれていた。
「あそこか。さっそく、行ってくるわ!」
ギルドの建物内に入ってみると様々な年齢層の人がいた。入り口の正面に受付窓口があり、用件を伝えた。
「このスライムの核を買い取って欲しい」
「かいこまりました。これから査定を行います。準備が整いましたら此方の番号札に書いてある番号をおよびします。しばらくの間、そちらの椅子でお待ちください。」
一体、いくらになるのか楽しみにして待つこと10分後、受付に呼ばれた。
「こちらの買取価格は、銀貨4枚になります。」
「銀貨4枚ね••••。わかった。それでお願いします。」
正直、銀貨7枚は、貰えるだろうと思っていたので3枚も少ない結果で内心ショックだった。しかし、初めてのギルドで目を付けられる方が損なため今回は、納得することにした。
「こちらが銀貨4枚になります。またのお越しをお待ちしております。」
銀貨を受け取りギルドをでて直ぐに武器屋に向かう事にした。武器屋では、今後の事を考え槍を買うと決めていたため武器屋の店員に槍を中心に見せてもらった。
「これなんかどうだい?先端部分だけ鉄で柄の部分は、木製で漆塗りしてあるから腐り難いよ。価格は、中古だし。そうだね。銀貨2枚でどうだい。」
「なかなか、いい手触りだ。値段もお手頃だし。何より取り回しがいい!気に入った!これにする。」
自分が使いやすく、黒く艶やかな色合いの好みの槍を購入できた事で上機嫌で待ち合わせ場所まで戻った。。