風俗で働く人の現状
一晩たって謎ができた。どうして田中さんは風俗で働くことを決めたのだろうか。確かに普通のアルバイトよりも稼ぎがいいかもしれないが正直言ってリスクが高すぎる。そして風俗で働く一番の理由を明確に伝えれば両親も納得してくれるのではないか。そして次の日の昼、田中さんと公園のベンチで集合する約束をした。
次の日天気が雨だったこともあり公園の近くのファミレスに集合になった。僕が付くと田中さんは先に来ており深刻そうな顔をしていた。さっそく僕はあの話題を切り出すことにした。
「田中さんってなんで風俗で働いているんですか?正直風俗って働くのリスク高すぎますし何よりいろいろと…」
「ちょっと…」
はっと周りを見ると周囲のお客さんは明らかに白い目で見ていた。陰で笑ってるやつもいた。僕は納得した。これが世間の声であると。世間は風俗で働いている人たちに対してほかの人と平等な目で見ることができないのだと。
「店を変えましょう」
田中さんが頼んだであろうコーヒー分の500円をテーブルに置き慌てるようにして外へ出た。それと同時に申し訳ない気持ちでいっぱいになった。外には今月最大級の雨が降り注いでいる。すると田中さんが小さな声で
「私の家に来ない」
っとささやいた。内心僕は驚いたが話し合うにはもってこいの場所だろう。でも、心臓の音は大きくなるばかりだ。