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導入部としての結末
いつも私を過大評価してくれる、親愛なるあっきコタロウさんに捧ぐ
燦々と照り付ける真夏の太陽と、穏やかに流れる潮風。
沖縄本島から遠く離れた太平洋上に浮かぶ小さな島、その名は乙軒島。
そして、携帯電話すら使えない絶海の孤島に、ある資産家が立てた白亜の洋館。惨劇の舞台となったのは、この美しい館だった。
五人もの男女の命が奪われ、物言わぬ屍となった乙軒島で、無数のゴミが打ち上げられた砂浜に佇む一人の少女。
美しく広大なエメラルドグリーンの海に向かって、少女は一人、祈りを捧げる。
本作は、あっきコタロウさんから舞台設定やトリックのアイディアを頂いて書き始めたものです。しかし、それに私のアイディアやエッセンスを加えた結果、コタロウさんから頂いた原案とはまるで別物になっているかもしれないことを、予めお詫び申し上げます(笑)。