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はぎ取り系シーフって?


「さてさてつぎのお題は……?」

「はぎ取り系シーフ! だそうです。ビックリマークまでがメモですよ」

「はぁ。それで、それはどんな意味なんだ?」

「シーフの意味は分かんないけど、はぎ取り系のゲームなら知ってるよ」

「オレもだぜ! つーかそれしか知らねーんだけどな!」

「という訳で、モンハ……げふんげふん狩りゲーの話です」


 ※狩りゲー的世界観を持つ異世界の話です。




『はぎ取り系シーフとは』



 

 一つしか触ったことのない狩りゲーを頼りに、今回の謎を解いていくSK。謎が謎のままで終わるかどうかはキミの手にかかっている! がんばれSK 負けるなSK (終わり)


「終わらせんな」

「これ系の考察では、やったことないけど、は禁句らしいので。やったことあるよって声高に主張したところです」

「余計な文章がつき過ぎじゃない?」

「まあまあ、また長くなっちゃうからこの辺りで終了ね」

「それで、何の話だっけな?」


 狩りゲーにあるはぎ取り系を異世界でリアルに表現するとどうなるか。


「地の文に説明させないで」

「なんてことを言ってくれる」


 まったくだ。やめてよね。


「あー、なんだ。要するに死体が残る系の世界ってことか」

「消えずに残るってロマンたっぷりだよね」

「そうか……? むしろ消えるよりリアリティあると思うが」

「そうじゃなくて! 素材が取り放題ってとこにロマンがあるの!」

「それは確かにな。コカトリスとかだったら羽根系素材は無限に盗れるわけだ」

「盗るなよ、採れって」

「言葉じゃわからんぞ」


 紙に書かないと分からないよ。


「一見便利そうに見えるこれだけど、どっこいデメリットがありましてね」

「ロクなもんじゃない気配……」

「そりゃデメリットだし……」

「採れるものはランダムなんですよ」

「はあ? なんだそりゃ、こっちのドロップとたいして変わんねーじゃねーか」

「さてさていったいどういう訳か」


 この問題をリアルな目線で解き明かしてみせようではありませんか!


「レッツ、シンキングタイム!」

「挙手ターイム」

「はえーよ」

「ちなみに採れるアイテムにはレア度が決まっていて、やっぱりレア度が高いヤツは出が悪いらしいよ」

「どこも考えるのは同じか……」

「じゃあドロップしてるってことでいいんじゃないの?」

「わたしたちの世界にはモンスターが消える摩訶不思議な力があって、ドロップも説明しないで来ちゃったけど、そうなるとドロップも説明しなきゃだね」

「なるほど、それ以外の理由か」


 ごり押しにも程がある納得のさせ方でごめんね。


「倒れるときの向きで素材の有無が決まるとかか?」

「素材の有無?」

「心臓や一部の摩訶不思議な素材は、特定の位置からしか採取できないとするなら、右側に倒れたか左側に倒れたかで大きく変わるだろう」

「なるほど、そうすると舟長たちが言ってた鳥の羽とかも半分しか採れなそうだね」

「その半分も戦闘で折れたり汚れたりしてたら素材にはならなそう」

「汚れてただけならリカバー効くんじゃねーの?」

「町へ戻って、専門の職人に頼むのか。金も時間もかかりそうだな」

「ありそうなシステムで嫌だな」


 別のゲームかもしれないけどありそうなシステムです。もしかして私が知らないだけで、どこかでは常識なのかもしれませんね。


「そうなると、体の内側にある素材もただでは採らせてくれないだろうね」

「だけど、素材になるならないの基準はなんだよ」

「それは、内臓系なら当然、健康状態じゃない?」

「使うのが料理とかならおいしさもプラスだな!」

「うげ、あんまりリアルに考えたくないな……」

「見た目をデフォルメにしとけばいいのに。でも、そんなのパッと見てわかるもんかしら?」

「全世界の勇者たちは拾ったアイテムの名を即座に知ることができる能力をお持ちですので大丈夫です」


 世界に一つしかないアイテムとかどうやって判別してるのか、不思議。


「伝承レベルなら名前が残ってるから分かるだろ。秘境レベルになったら……」

「勇者が勝手に名前つけてるとかいう説もあるよ」

「その問題は奥が深いので触れないで欲しいわたしであった」


 唐突な説明口調に地の文担当の人が困っております。おもわず敬語だよ。


「じゃあ、話題を戻そうか」

「はい。何とかの涙とか、何々の空気とか、どう考えてもその場で採れそうもない素材はどうしてるんだろうっと」

「涙系は特別な条件が必要そうだよな」

「満月の夜にしか採れないとか?」

「だが、そんなにレア素材じゃなきゃもっと条件はゆるいはずだ。いつもいじめられっ子で泣いてるとか」

「なんで地味にひどい条件なんだよ……殴るの、ためらっちゃうだろ」

「空気系は瓶に入れとくのかな」

「ホントにそこに入ってるか分かったもんじゃない」

「というか、しばらくしたら揮発して中身はただの空気だったりしてね」

「ドロップって便利だったんだな」


 ドロップは面倒な選別作業をシステム側でしてくれる便利な機能だった!


 どうかな、ドロップであんまりでない素材があるからって罵るのはやめてくれそう? あ、それとこれは別? はい。


「さんざんにむしってやったぞ」

「素材を取られつくしたモンスターはどうなる?」

「ゲームなら折を見て消えるよね」

「だが、異世界リアルでは……」

「その場に残るか。長居するのは危険そうだな」

「そうか、森やそこら辺に住む生き物がむしゃむしゃしに来ちゃうね」

「ボクたちもむしゃむしゃされないように注意しないと」

「倒しちゃえ!」

「悪魔の囁きですか」


 魔法使いが斧戦士につぶやく。古の設定集(くろれきし)はだめですよ!


「この場所の主みたいな存在で、出会ったら問答無用でゲームオーバーとか嫌だぞ」

「倒しちゃえ!」

「どっちにしろゲームオーバーってパターンじゃね? これ」

「何が?」

「ぬしと出会って、勝っても負けても」

「なんだ、ぬしと戦っても負け、逃げても仲間から斬られて負け、かと思った」

「ああ、斧戦士ならやりかねないね……」

「失敬な!」


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