茶番
「舟長、出番です!」
「チッ。ユニコーンの角落としやがれ、このッ」
「残念、MISS!」
「いや、まだ次があるぜ!次のターンで決めれば大丈夫だあ!」
「舟長、がんばって!」
Mission Start !!
魔法使いが敵を倒してしまう前に、舟長の盗み攻撃(熟練度レベルマックス)を成功させよう!
残り時間 あと:1ターン
「は!? いや、無理ゲーだろ!」
「文句を言いつつスキルは発動させる舟長。さて、結果は?」
「なんか盗んだみたいだぞお!」
「ボクのドロップ率増加効果も期待してね?」
「ういーす、じゃあ私の魔法でぶっころ……倒しますので」
魔法使いが両手を広げた。増幅された知力が、魔力を暴発させる。彼女のみぞおちのあたりから白い風のようなものが放たれ、唸る蒼いモンスターを撃ち抜いた。
モンスターはうんともすんとも言わず――正確には彼らが言わせなかったのだが、地面に倒れ伏す前に跡形もなく消えてしまう。一撃であった。
「結果はどう?」
「金額はいつも通り。素材の方は……」
「ドロップが爪二つと牙一つ。盗みが角一つみたい」
「成功だな、舟長!」
「おおう……」
戦闘が終わると同時に舟長はその場に座り込む。
安心したのだ、おのれの有用性を示すことが出来て。
何を盗んだのかだけが心配だったが、杞憂だったようである。長年取り組んできたシーフとしての勘は彼を裏切らない。
とりあえずしばらくは、要らない子とか呼ばれることはないだろう。
明るい未来を垣間見てすっかりリラックスする舟長。そんな彼の肩が叩かれた。辛い現実の始まりだ。
「ポン」
このわざとらしいくらい軽い音が、彼の側に来た人物を教えてくれる。
舟長は嫌な予感を覚えた。
「さすが舟長! すごいよ。じゃあ、あとこれを四回お願いね☆」
「ですよねー」
やって来た彼女は魔法使い。
パーティ内最大火力を有するメンバーだ――ただし腕力はない。
渋々後ろを向く舟長。そんな彼が見たのは、笑顔の魔女だった。にやにや笑っているのだ、自分の背後に立つ者が。
そのとき舟長は、逃走という選択肢を意識的に排除した。彼の意思としては非常に逃げたい、のだが……。
「ねえ、何してるの?早く次に行こうよ」
魔法使いとは逆に、正面から彼女がやってくる。そしておもむろに舟長の両手を掴んだ。
舟長の前後を挟むように現れた女性陣。抵抗を封じられた舟長。逃げ場などない。
おまけに、この可愛らしい彼女の本職は、舟長より素早いアサシンなのだ。
逃げられるはずもなかった。
そもそもの事の発端は舟長だった。
いや正しくは、魔法使いの火力をさらに上げるための『パーティの総意』であって、それはつまるところパーティの意思表示を担当するの舟長のことにほかならない。
……やっぱり舟長が悪いんじゃないか!
「あと杖一個でコンプリートだね!」
「またお前の火力が上がるのか」
「いいじゃんか。かつての強敵が雑魚になっていく様はスカッとするだろ?」
「でも魔法使いちゃんの知力からすると、+50ってちょっと微妙な感じかも」
「知力550だっけか?杖とか諸々のカスタムで魔法力が800越える訳だから……最終的にはオッケーじゃね?」
「ま、あるに越したこたないしな」
空とぶ舟の上でそんな会話をする面々。
ちょっと変わった移動手段を持つほかはもっぱら普通の冒険者たち、スカイアドベンチャーだ。ランクは中堅、善い人よりワルな人に見られたい若者パーティである。
今は、とあるシリーズをコンプすると貰える装備品について話している様だった。
「素材は?」
「んーと、そんなに難しくはなかったと思う。練金元の杖なら、こないだ倉庫にあるのを見たし」
「だったら確認してくる」
魔法使いの無責任な発言に舟長が微妙な顔をした。
たぶん、そういうことじゃねーよとか、もっと詳しいことを教えろよとか、この間まであっても今あるかは分かんねーだろとか、色々言いたかったのだろう。
だが銃士の行動がそうさせなかった。さっと立ち上がった銃士がブリッジの内部へと消えていく。舟長は真顔に戻らざるを得ない。
「いつも助かるよね……」
「気が利くよなあ、あいつ」
「便利だよね! フォローありがと!」
「お前が一番酷い」
魔法使いと銃士は互いに相手を伴侶だと自称するほどの仲だ。いっそ公認だといっていい。むしろただの両想いだというのに、この扱いである。
けれど、これは銃士の知るところであり、ヤツの方がよほど魔法使いを思いのままに操っているさますら見られるのだから困る。この仲よしさんめ!
「調べてきたよん。神秘の杖、ユニコーンの角、天使の羽でできるっぽい」
「天使の羽ね……。こっちは先週集めたばっかだからいいとして、問題は角だけど足りるか?」
「在庫は……四個だけだね。天使の羽の方は大丈夫。ちゃんと十個分あるよ」
「素材の杖もちゃんと見つかったぜえ」
「……」
銃士のメモと、倉庫の在庫表示を見比べる。電子表示された数字をいくら睨んでも変化はない。
素材が足りないのだ。
ユニコーンの角を、それだけを二個分集めなければご褒美の装備は貰えない。ついでに件の杖も造れない。
「この角をドロップするモンスターと言えば……」
「近くにはいねえなあ!」
「二個だったらお金でなんとかするって手もあるけど」
「それは多分……、守銭奴の舟長が頷かないと思う。売りに出る確率も低いし、自力で手に入るならそっちの方がよくない?」
「そうだね。それがいいよ」
銃士が戻ってきてからずっと黙っていた魔法使いがついに口を開く。
余りの唐突さに、残りの仲間四人が内容を問い質すこともできない。
「実は叡知の杖をもう一つ作りたくて。ちょうどいいから少し余分に集めてこようよ」
「それは別に構わねーけど、目標はいくつにするつもりなんだよ?」
「二個分と叡知の杖用と……最低四個は必要だな」
「まじかる☆どろっぷはどうするんだあ?確かその杖は、さんざん苦労したヤツだよなあ!」
「剣士、足りないなら持ってる人に手伝って貰えばいいんだよ。だからランクアップのアレも足して……五個は集めないとだね」
「これでドロップ一択になったな」
「最近はよく使う素材だし、余分どころかしっかり集めちゃったら?」
「まあ、それは五個集めてから考えればいいさ。以外と疲れるかもしれないし。魔法使いが」
「それはあり得るかもしれんな」
そして、話は冒頭に戻るのである。
◇◆◇◆◇
「前置きご苦労」
「なんだこいつ。ぶん殴るぞ」
「お前の攻撃力じゃ痛くねーよ」
「分かった、言い直そう。お前を殴ることで発生する援護魔法で貴様を苛んでやる」
「お前一人じゃ発動しないだろ」
舟長がせせら笑った。
だが、その判断は間違いでしかなかった。彼はいつものパーティでの立ち位置をうっかり忘れてしまったらしい。
その点、魔法使いは冷静だった。さすが知力500超えなことはある。
「なるほど。じゃあ手伝って貰うわ」
「お手伝いさんその1です。物理で死ね」
「お手伝いさんその2だあ!魔法使いを護るぜ」
「お手伝いさんその3だよ。素早さなら誰にも負けない……舟長も気付かないうちに気絶してるかもね」
「じゃあ、トランスしたので魔法で死んでもらってもいいですか?」
「ごめんなさい、なめた真似をしてすみませんでした。勘弁してください」
トランスによって魔法使いの火力はさらに上昇する。倍加した知力が魔力を練り上げ始める。
胸の前で組まれた両手の中に宿った色は白。彼女が最も得意とする無属性魔法攻撃だ。
無属性魔法には属性防御というものが存在しない。つまるところ、どんな敵にも同じようにダメージが通るのだ。
途切れることのない詠唱、紡がれる魔法。
もはや舟長が頼れるのはおのれのステータスのみであった。その頼みの綱の魔法防御力も、物理アタッカーの銃士に次いで低い170台なのだが。
当たれば確実に死ぬ……。舟長は天に祈った。
「謝ったのに撃つのかよ!」
「知らなかったのか、援護魔法からは逃げられない! じゃなくて止められないんだぜ!」
「お前が今詠唱してるのは自動で発動するタイプじゃないだろ!」
「確かに」
さもありなん、彼女の手の内に存在するのは、術師が任意で発動するタイプの攻撃である。
しかし、それがどうしたのだ、と言わんばかりに魔法使いは魔法を完成させる。
そして舟長の方に人差し指を向け、白い光を放った。風のような白いモノが舟長に近付き、小さな爆発を起こす。
46282。五桁の数字が踊る。Over Kill !!
舟長は死んだ。
「舟長が死んだー!」
「大事なことだから二回言ってくスタイル」
「舟長ったら、余計なこと言うから……」
「一応謝ってたし……いつもよりはましだろぉ」
「誰がこんなことを!」
「白々しいにも程があるだろ!」
「あ、生きてた」
「お帰り、舟長」
「ほい、リバイブ」
死んでいたはずの舟長がひょっこりと起き上がって文句を言った。
しかしながら、誰も驚く様子を見せない。当然である、これは彼らにとっての日常茶飯事であるからだ。
そう。このパーティは簡単には死なないのだ。
誰か一人の体力が尽きてもそれは気絶――戦闘不能にほかならず、ほかの生存者が特定の技やアイテムを使えば戦闘復帰することが可能である。
彼らが本格的に――というのも変だが、本格的に死ぬときがあるとするならば、それはパーティの全滅を意味する。パーティメンバーの体力を全てゼロにすれば、もう戦闘の続行は不可能になるからだ。
「はあ……。心配してくれたのはアサシンと剣士だけか……」
「いつものことじゃない」
「回復したことが心配の証だとは限らない!ね、剣士?」
「んー?どーだろうなあ!」
「可哀想な舟長ですこと!」
「お前も喜んで荷担してたじゃねーか!」
「そうですけど?」
「なおキレ気味」
代わりにといっては何だが、こうして“死んでいる”のに平然と会話するか、環境的に全滅を繰り返しそうな場合は故郷の宿屋にワープするか、を彼らは選ぶことができる。
だがそれは、スカイアドベンチャーを狙う者にとってはデメリットでしかない訳で……。
かつてアサシン|(メンバーの方だ)の素質に眼を着けたギルドリーダーに、『スカイアドベンチャーを殺すには寿命による老衰しかない』と言わしめたほどの素敵システムっぷりである。
「そろそろ本題に行きたい」
「誰のせいなんだか」
「キミのせいでしょ」
「あ、はい」
この低姿勢!舟長の立場は誰よりも弱いのだ。
パーティのリーダーだからこそ、誰よりも下の目線で見る。まとめ役として真の覚悟を、身をもって体現する。そんな舟長を、みんな慕っているのだ。
現に、アサシンや魔法使い……というか舟長以外は様々な組織から熱烈な勧誘をされたことがあるのだが、誰一人としてそれに頷いたことはない。
それは、このパーティが好きだから。恥ずかしがって誰も口にはしないが、パーティメンバーが創設時から不変である事実が、それを裏付けている。
ずっと一緒だから。代行者たちの存在理由はそれだけなのだ。
◇◇◆◇◇◆◇◇
「と、いう訳で今日は舟長の能力について話をするよ」
「え゛っ」
「どういう話の繋がり方なんだ」
「そういうリアル世界に片足突っ込んだ台詞はよくないと思うよ」
「それじゃブーメランになっちまうぜ!」
唐突な話題提起。魔法使いの得意技だ。
現実でのコミュニケーション能力が乏しい書き手の技量を体現している。もっと自然に会話を繋げたいです。
「私たちは、とあるゲーム世界で作られたパーティーを元にして創られているキャラクターですが、私たちが活躍する場所は異世界です」
「でも、ボクたちが冒険者としていきる上での戦い方とか技術とかは、ゲームを参考にしている――原作に依存しているんだ」
「ただ、そういう諸々をゲームシステムだけで処理させようとすると、前置きのときの全滅の話みたいに、無茶が出るんだよなあ!」
「だから、いわゆる『ゲームだから』で済ましてしまうシステム的な事柄を――どうやって違和感なく、自然な形で現しているかって話だな」
「という設定で行きます」
「まあ、つまるところだね、これを書いてる人がゲーム→異世界系のトリップを書きたくて、自分なりに詰まったとことか思うとことかを書き残しておこうとか思ってるのよ。私たちの冒険がメモ帳扱いだよ」
魔法使いが怒りを顕にしてため息を吐いた。しかし、他の面々はそこまで思ってはいないようで――呆れるやら好きずきにコメントするやら、余裕の態度だ。
人生の主人公は我々だ、なんてどこぞのアホの子みたいなことは考えたこともないのだろう。
「普通にエッセイとかにすればいいのにね」
「てか、そういうゲームトリップ系ってまだ流行ってんのかあ!?」
「異世界転生系ならよく見るんだけどな」
「えっ! わたしがその手の話を書き上げる前にトレンドが変わっちゃったの!? 書き上げるどころか、書き始めてすらないけど!」
「それ、『明日から本気出す』並に確立低いと思われるけど、大丈夫?」
「てか、別に流行じゃなくてもよくね?マイナーでも、書きたいものを書きゃいい。見てくれる人は少ないかも知れないけどな」
「舟長が魔法使いちゃんを慰めてるなんて……ちょっと斬新」
「明日は異常気象か隕石かあ!?」
「そこは槍で」
「魔法でもいいのよ?」
「おまえら……!」
銃士が『設定』なんてメタな発言をしたというのに、まるでお構い無し。スカイアドベンチャーはそのまま好き勝手にしゃべり続ける。
ついでに――というかこちらの方がよっぽど問題なのだが、魔法使いに神の代弁者の意識が浮上しても、気がつくどころか舟長disに移行する始末だ。
舟長は愛されっぷりに泣いた。
「てか、さっきまでリアルの話しないとか言ってたのにこれかよ!」
「そ、それとこれとは別っていうか……」
「ツッコミ役として我慢しきれなかったのかな? でもね、お前が言うな」
「そうだぞ! 設定の話の時点でノリノリだっただろーが!」
「やーい、嘘つき!」
スカイアドベンチャーは元気で明るいパーティーです。その構成員の朗らかさが魅力的ですね。舟長のKYさ……いいえ、独特の雰囲気にもひかれます。独創的な彼らの関係に今後も目が離せませんね。
「地の文に悪意を感じるんだが」
「地の文とか言っちゃうのはどうなの? とか言うのはさておくとして。うーん……これは酷い」
「舟長の雰囲気がどうのってとこの、『ひかれます』って誤字かあ?」
「KYだの独創的だの言ってる時点で絶対わざとだな」
「そうですとも!」
「肯定しちゃうんだ……」
本性を現した書き手に驚きを隠せないメンバー。
特に、直接的にディスられた舟長は、憤懣やるかたないと言わんばかりだ。肩の上昇具合からして激おこ間違いなしである。
だが、そこでリーダーを慰めたり宥めたりしないのが、スカイアドベンチャーだ。舟長の地位は低い。
「本題に入るが、いいかね?」
「そのセリフ、二回目だな」
「どうぞ、どうぞ」
「じゃ、オレから。舟長の――オレの能力ってのは、シーフとしてのスキルのことだよな?」
「そう。ゲーム上では画面上部に『○○を盗んだ!』っていうテロップが出るか、モンスターグラッフィックの上に『Steel』とか『Success』とかの文字が浮かぶか……ほかにもあるかもだけど、そんな感じのスキル。……だよね?」
「ボクたちに、他のゲームについて聞くのはご法度じゃないの?」
「あくまで設定だから。セフセフ」
「だったら、オレたちは両方ともだな!『全体盗み』以外はテロップもモングラの上の文字も表示されるぜえ」
「それじゃあ、ボクの感想だけど。今のグラフィック重視のゲームだとモングラ式で、それ以前のテキスト重視のゲームだとテロップ式、そういう傾向が高い気がするね」
「つかシーフが優遇されてないってか、そもそも盗み可能なシーフの採用率がなアレなんだよな……」
「それはたぶん、プレイヤーの好むゲームジャンルも関係ある」
「なあ、盗めないシーフなんて居んのか?」
「舟長が泣いちゃうから止めなさい」
それってどう意味だ!と舟長が掴みかかるが、それは叶わない。シーフと戦士の腕力は余りにも違うのだ。
舟長はふっとんだ。ダメージを負わなかったのが奇跡であった。舟長は泣いた。
「それはともかく、今だと……そうだな。忍ばない忍者みたいなものじゃね?いまや忍ぶ忍者の方が探すの難しいだろ」
「忍者、忍ぶ者ねえ」
「ボクたちの世界にも忍者は居たけど……ね」
「ありゃあ金持ちの道楽だろ」
「んじゃ、舟長のそれは貧乏人の僻みね」
打てば響くような応酬に、舟長はなんだと!と魔法使いに掴みかかった。
ところで、魔法使いの腕力が無いに等しいのは周知の事実であろう。なので……、シーフよりもはるかに非力な彼女はこてんと後ろに倒れるしかない。
舟長は背後に殺気を感じ、振り返る前に他の三人――特に彼らと特別な関係にある銃士とアサシンに――強く締め上げられた。
「魔法使いちゃんは物理に弱いんだから!」
「ムカついたのは分かるが、女の子相手にそれってちょっと引くぜえ」
「斧でぶん殴ってよろしいです?」
「よっこいしょ」
「」
銃士が武器を振り回した。
セリフ上では許容の形を取りながら、実際のところただの確認に過ぎない……どころかなんの意味も持たないのは、銃士にはよくあることだ。
無様にすっころんだ魔法使いが何事もなかったように立ち上がっても、その手を止めることはない。
というか、言う前から斧を振り回している人に何を言えば良いのだろう。魔法使いは抑止させようとしてふと思った。
ちなみに舟長は死んでいた。無論、銃士の攻撃によってダメージが生じたためである。
「まあ、私たちがどちらかと言えば貧乏人の枠に入るのは間違いない。異論はないね?」
「舟長、聞かれてるよ。聞こえてる?」
「一応死んじまったからなあ。リバイブ、それとヒール。これで口が利けるだろうよ」
「で? どうなの? 貧乏人って認めるの?」
「煽っていくスタイル。嫌いじゃないぜ!」
「あーはいはい。どちらかと言えばどころか圧倒的な貧乏人ですとも」
すっかり開き直ってしまった舟長。だが、その通りだった。
だから、彼らの原作の忍者が派手かどうか……否、忍んでいるかどうかは確かめようがないのだ。はるか上の先輩冒険者から体験談でも聞ければ別だが。
噂では、エンカウント率を減らす技を持っているとか、水遁から始まる光闇無属性以外の忍術を覚えるとか、汚い忍者のごとくウツセミを使うとか、なんとか。如何せん噂である、信憑性に欠けるうえ、この断片的な情報をすべて信じるとしてもやはり、正統派忍者なのかどうかが分からない。
つか正統派忍者って何だよ。言及したのはいいが、詳しいことは何も知らなかったりする。スカイアドベンチャーの、今日の知ったかぶりであった。
「何の話をしてたんだっけ……?」
「今日はよく脱線するなあ!」
「残念だが、いつものことです。と剣士のフォローを台無しにするおれである」
「シーフの話をさせろよ!」
「まったくだ!」