ラストライブ
柊真矢は舞台裏で、アイドル、天使白百合のライブを見ていた。舞台裏まで届くほどのファンの歓声。皆彼女の歌に魅了されているのだ。それもそのはず、だって彼女はNo.1アイドルなのだから。
無事にライブが終わり、彼女は舞台裏に来た。「あ~疲れた~」と白百合は言った。3時間も彼女はライブを1人でしていたのだ。疲れて当然だろう。
真矢は疲れて横になっている白百合に水とタオルを渡した。「小百合さん、お疲れ様でした」と笑顔で言った。
すると白百合は「ありがとうマネージャー」と無表情で返した。真矢は私のこと嫌いなったのかと思ったが、すぐにそれを否定した。この時間はただのマネージャとアイドルの関係だ。そう心に念じて。
真矢と白百合は支度を終え、帰途に着いた。「もう大丈夫な時間だよ」と白百合は言った。仕事の時間が終われば、二人は恋人同士の関係になる。
「今日のライブすごく可愛かったよ」と真矢は白百合を褒める。「えへへ、うれしいな」仕事の時間には見せないまんざらでもない表情になる。
真矢はこの顔を見るのが大好きだ。ライブしているときも輝いているが、自分にしかみせないこの姿が大好きだ。
「これからどうする?」と真矢が言った。「真矢と一緒にいる」と白百合は言った。
「そ、それはそうだけど」と照れながら、真矢は言った。
「じゃあ真矢のご飯を食べてから、お風呂に入って寝よう」「うん。わかった」と真矢は笑顔で言った。
夕食は真矢の特製オムライスだ。完成したオムライスを見て、白百合は目を輝かせていた。
「真矢の特製オムライスだーわーい」と子供の様に喜んでいた。真矢は嬉しくなったが、同時に母性本能に目覚めた。こんな可愛い人が自分の娘だったらなと、本気で思った。
ケチャップで真矢のオムライスには小百合が真矢の似顔絵と真矢愛してるという文字を描き、小百合のオムライスには真矢が小百合の似顔絵とでかいハートマークを描いた。
「これを食べるのはもったいない」と小百合はわめく。真矢はしょうがないという顔をしながら、「じゃあ私があーんしてあげるからそれで我慢できる?」と真矢は言った。
「う、うん」と小百合は言った。本当にアイドルやっているときの小百合が信じられないと真矢は思ったが、この時間が真矢にとって、いや、私たちにとって至福だった。
「はい、あーん」と真矢が白百合にオムライスをあげる。「あーん」と白百合が笑顔で口を開けてくる。
これを私たちは20回ほど繰り返した。満腹になった二人はお風呂に入って、寝た。
「今日も疲れたね」とベッドで小百合が真矢に言う。「うん。そうだね」と私は笑顔で言った。
「じゃあ、おやすみなさい」と言って小百合は寝た。真矢は小百合の寝顔を見ながら寝るのが日課だ。可愛いなと思いながら見ているといつの間にか寝てしまう。
次の日
真矢は高熱を出し、風邪で寝込んでいた。白百合は多忙のため看病できなかった。
できるだけ仕事を減らし、モデルのオファーが来ている雑誌の編集長との打ち合わせのみにしたが、それが仇となった。
白百合は、昼食兼打ち合わせをすまし、真矢の看病しようと家に帰ろうとしたが、編集長に腕を掴まれ、無理矢理恋人つなぎをさせられてしまった。さらなる不幸が白百合を襲う。その光景を週刊誌に撮られてしまったのだ。その出来事はアイドル生命を終わらせるほどの力を持っている。白百合は腕を振り払い逃げたが、パニック状態になってしまった。こんな時に真矢がいてくれたらと白百合は思った。
とりあえず事務所に行こう。白百合は気持ちをすこし落ち着かせた。
事務所に着いた白百合はプロデューサーに相談した。プロデューサーは弁解会見を勧めた。
相談した結果3日後に会見をすることになった。
3日後
13時白百合の会見が始まった。「私はあの編集長となんの関係もありません。初対面です。」と泣きながら弁解する。「本当の事を言います。私には愛すべき人がいます。相手は女性です。マネージャー前へ。」真矢は白百合の横に並ぶ。突然白百合は真矢にキスをした。報道陣がその行為に驚愕したが、それを無視して
白百合は続ける。「私とマネージャーはこういう関係です。みなさん覚えといてください。」そう行って会見場から去った。終わった後、プロデューサーから電話がかかってきた。「事務所に来い。話がある」
白百合と真矢は悟った。事務所に行くとプロデューサーが待っていた。遅くなりすいませんと2人は謝る。
「白百合、今日でお前の活動は終わりだ」とプロデューサーが言うと、白百合が「わかりました。今日で引退します」と泣きながら言う。「まあ、話は最後まで聞け。一人での活動は終わりだ」とプロデューサーが少しにやけて言う。「どういうことですか?」と白百合は泣くのをやめて質問する。
「お前とマネージャーで新たなグループを結成してもらう。」白百合は驚いたが、それ以上に驚いたのは真矢だった。「白百合と一緒にやってくれるか」プロデューサーは真矢に真剣な顔つきで言う。
即決だった。「やらせてください。白百合と同じ舞台に立てるほどの喜びは私にはありません。」
「よし、わかった。半年後デビューだ。」2人は顔がくしゃくしゃになるくらい嬉し泣きをした。
半年後
デビューライブが行われた。ホールが満杯になるほどの客が押しかけた。
ライブが始まると、グループの紹介になった。「私達はtwo of love です」と胸を張って紹介した。
アイドル百合を始めて書いてみました。最後まで読んでいただきありがとうございました。