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お願い事のこと
ジリリリリー。
また電話です。
コツ、コツと杖をつきながら、おばあさんはゆっくりと電話に近づきます。
受話器を手に取ると、乾いた唇を開いてこう言いました。
「はいはい、私が冬子ですよ。何?雪を降らせて欲しい?」
おばあさんは冷たく言い放ちます。
「ふざけるんじゃないよ。私は雪が嫌いさ。」
おばあさんは受話器を置きました。
すると今度は、すぐ電話がなりました。
おばあさんは同じように受話器をとります。
「はいはい、私が冬子ですよ。」
電話をかけてきたのは幼い女の子のようで、そのお願い事を聞くとおばあさんは目を細めました。
「面白いことを言う子だね。でも、お断りだよ。」
そう言って受話器を置くと部屋の奥の方へ、コツ、コツと消えて行きました。




