ML
そのMLは、楽しかった。
その子とだけじゃなく、グループの青年たちが
皆、真っ直ぐで好ましい人たちだ、と言う事とか....
(後で、とっても思いやりのある連中だ、と云う事も解るのだけれど)。
そして、毎週金曜日のミーティングも、また楽しいものだった。
どうして楽しいかと言うと....
僕はいつも、ミーティング・ルームに早く来ていたから
大体、その子と会う事が多かった。
狭い小部屋だから、二人きりで居ると黙っているのも変なので
いろいろと話をする事になる。
「暑くなってきたねぇ、あ、でも、寒いの?ひざかけ。」
その子は、冷え症なのか、ひざかけを手放せずにいた。
もう6月なのに。
でも、オフィースはどちらかというと冷えすぎているので
寒い、と言う女の子も多かったみたいだった。
だから、この小部屋に居る時くらいは、と
僕はいつも、冷房を止めてあげることにしていた。
彼女は、いろいろなことを僕と話した。
冷え性、と言うよりは病弱な事や
田舎から出てきてひとりで居る事、とか。
そうそう、料理がまるでダメだ、なんて事も(笑)
話しだすと、楽しそうににこにこ話すのだけれども
僕が話しかけないと、黙って俯いてしまっている子だった。
でもまあ、彼女にしてみれば、親戚の叔父さんくらいの年の僕だから
それは当然かもしれなかった。
僕だって、親戚の叔父さんに軽々しく話しかけたりはしないだろう.....
なんて,考えてると
すぐに他の連中が来て、その、彼女の楽しげな雰囲気は霧散してしまい
普段、オフィスで見る硬い表情に戻ってしまうのだった。