after 227
2月27日。
彼女がいないオフィース。
でも、僕は別段用事がなければ、彼女のいるルームに行く事はないし
仕事をしていると、そういう事を考える余裕は無い。
だから、どうと言う事のない普通の水曜日だった。
彼女がいなくても、このビルも、僕等も。
変わらない動き続けるのだろうな、と..これから先のことを思うと
なんだか切なくなった。
しかし。
僕にどうせよ、と言うのだろう。と、訳の分からない力のような物の
存在を思った。
MLグループのみんな、も。
なんとなく僕に、何か、ぎこちない。
無責任に、僕は.....約束をしたりする
そういう性格ではないし、まして相手が女の子ならば
状況に流されてはいけない、と
この時強く思っていた。
是非はともかく、この時はそう思っていた。
人の気持ちなんて不条理なものだ。
27日は、何気なく過ぎていった。
夕方、回覧板を持って
彼女のルームに行く。
空っぽの彼女の椅子を見て、どっきりとした。
.....いなくなるって、こういう事なのかな。
妙に、空虚。
そう思った。
あの時、彼女が見せた意志を込めた視線を、僕は思い出した。
........。
明日も、休みだっていったたっけな。
答えを見つけるなら、最終日。
僕は、そう思った。
2月29日。
最終日。
だからと言って、仕事に変わりがある訳ではないが..。
今日は、金曜だからミーティングがある。
午後には、月例報告会。
その時は、彼女と顔を合わせる事になる。
僕は、考えた。
....明日から、もう約束無しには会えないこと、になる。
でも....。
ふと思う。なにか、不自然だ。
そう、いつもこんなパターンになる事が多い僕だ。
クラスメートだったり、サークルの仲間だったり。
趣味の友達だったり。
バイト仲間だったり。
こういう事に消極的な僕だから、そうなるのかな。
そうも思った。
そして、こんな風に考えるのもいつものこと。
....こういうパターンもあるんだろう。
普通のオトコは、もう少し情熱的なんだろうな。




