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Calender_Girl  作者: 深町珠
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ほんもの 


今、冬休みで九州に帰っている彼女の事を、思い出しもしなかった自分に気づく。

旅行に行く、とか言ってたけどネ。



まあ、ただの同僚だから別に気にもしなかった、のだけれど。


ただ、周りの仕事仲間が妙に気を回すのが不思議だった。

どうしてそういう事をするのかなぁ、なんて.....。






スキー場は快晴だった。

雪の斜面にレールを刻むように、スピードを上げてターンする。

大きく、小さく。小刻みに、ゆっくりと。


雪面に手が触れるくらいに体を倒して。これが最高だ。




スポーツはやっぱりいいな。



爽快な気分で、僕等は山を降りてきた。








お正月休みが明けて、1月7日。

今日からはまた仕事だ。


オフィースも、昔みたいに晴れ着の女の子が華やかに....なんてコトはない。

殺伐とした、いつもと同じ雰囲気。


それもそうで、僕等とは違って主任研究員の人とかは

休みなく研究しているのだから、正月も無いのだった。




僕等はまあ、楽しく休みを終えて、2008年初めてのグループ・ミーティング。


MLグループが勢ぞろいして。

リーダーの和くんが、楽しそうに「えー、休み中に変わったことはなかったですか?」なんて...


皆、予定通りに過ごしたらしい。


僕も、後ろめたく無いのは、彼女が田舎に帰っていてくれたから

妙に気を使わなくて済んだ、と云うのもあった。


九州でどうしてるかなんて考えもしなかった。

まあ、もちろん古い友達や、昔の彼、とかも居るだろう、故郷には。


別に僕が気にすることもない。





和くんが僕に話題を振ったので「あ、スキー行きました、2名乗車、荷物満載でも大丈夫でした」

なーんて言うと、怪訝そうにその子は僕を見る。





「あ、友達が急に電話してきてね、高校時代のオートバイ仲間が」


なんて言ったあとで....なんで弁解するんだ、僕が。と(笑)



なんとなく、どうもそういうコトを言うから、周りのメンバーたちに誤解されるのかな(笑)。



でもまあ、別に.....

僕の(ほんものの)姪も、僕が外泊したりすると気にしたりしてたっけな、中学校くらいの頃。


この姪はヘンなところがあって、小さい頃から僕に良く懐いていたんだけれど

僕が昼寝してると唇を寄せて来たり、気づくと僕の髪を撫でてたりと....


ちょっとおかしなところがあった。


まあ、お父さんと似てて、ちょっと違うから.....


そういう感じかもしれなかったな、と思ったりもした。


なんとなく、その雰囲気が恋、っぽい視線だったときもあった。

まあ、ミドルティーンだから気分でそうなるのだとも思うけれど。



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