彼女
もともと彼女は情報処理が専門だと言う事だった。
......あれ?
僕は初めて会った頃の事を思い出した。
よく「パソコンが壊れた」とか....言ってたけど。
情報処理ってそういう事習わないのかなあ、なんて思ったけど
例によって、僕は深く考えるのは苦手だ(笑)。
あまりに真っ直ぐ僕を見るので、ちょっとどぎまぎしてしまう僕だったけれど
.....この頃、しっかりしてきたのかな。
そんな風に思って、その変化を好ましいと思っていたが
反面、どこか淋しいような気もしていた。
.....娘が成長する父親の心境かな(笑)なんて
娘もいないのに、僕はそう思った。
もともと僕は懐古的なところがあるので、そのせいだろうとも思った。
「ソフトならフリーで結構あるよ」と
僕は以前、付き合いのあったフリーエンジニアたちの話や
ユニオンに属せば結構仕事が回る、なんて話をした。
彼女は、若々しい好奇心と向上心を持って、瞳を輝かせているように見えた。
透き通るような白い頬に、ほんのりと赤みがさしている。
微笑みを絶やさずに....。
.....なんとなく。
いままでの彼女とは違う雰囲気が感じ取れ、僕は戸惑った。
これは一体何だろう?
...とも思ったが、そこでMLメンバーたちがどやどやとミーティング・ルームに入ってきて
連想ゲームはそこで終わり(笑)。
それから彼女は、カラー・コーディネートの資格も取りたい、なんて言うんで
「うん、女の子らしいね」と、聞き手によっては嫌がられる事を僕は言った。
別に、そんな事くらいで嫌われるならそれでいいとも考えていたし
思った通りの事を言わなければ、本当の意味で友人になれないとも思った。
でも、彼女は特にその言葉を忌避する素振りも見せず、頷いていたから
どうと言う事もなかった、のだけれど。
今思うと、こんな風にグループで居る時に
二人きりで会話するのと同じスタイルで会話していたから
それがそもそも、誤解の種になったのかもしれないな....なんて風にも思う。
まあ、それも今となってはどうでもいいことなのだけれど。




