しごと
この子にも、何か、好きなことを懸命にやってほしいなぁ。
と、思った。それで,僕は.....
また、面白おかしくMLに投稿した。
僕@ML>骨盤=Pelvisなので
昔、エルビス・プレスリーが,腰があんまり良く回るので
ペルビス・プレスリーって言われていましたっけ。(笑)
そうそう、腰のリハビリにいかがでしょう。プレスリーのロックンロール。
なんて書いた。プレスリーを知っているか?は考えなかったが。
廊下で偶然彼女に出会ったので「どう、骨盤?」(ヘンな聞き方だな)。と。
その聞き方が可笑しかったのか、彼女はくすくす笑って「ハイ、あとはリハビリですね」と...
僕はなんかおもしろくなってきて「じゃ、どう、でゅーく更家さんとか一緒に」
と、僕はあのウォーキングの格好で「はい、しゅん、しゅん...」と実演してみた。
遠くから、MLメンバーのみんなが来たので「どう?みんなも一緒に。運動はいいよー」って。
彼女は楽しそうに笑ってみていた。
.....そうそう。笑ってね。
具合悪いと不安になるから。
......元気になるといいね。と僕は心の中で呟いた。
もちろん、僕等は遊んでばかりいた訳ではなく(笑)ちゃんと仕事はしていた。
だけれども、フリーランスの僕には不可解な事があった。
彼女たちのプロジェクトが、僕から見ると進行がとても遅かったのだ。
僕等のプロジェクトより簡単な仕事なのに....と、僕は思った。
.....たぶん、アレだな。
思い当たる事がある。
プロジェクト同士で、互いの成果を競い合う事はよくある事。
でも、時々プロジェクト・リーダーがあまり人に好かれないタイプの人だったりすると
見えない力が働いて、そのプロジェクトが失敗する事がある。
彼女たちのプロジェクト・リーダーから
仕事を任されているグループのみんな、特にグループ・リーダーの和くんは
若いので、苦境に立たされていた。
その、圧力をどう捌くかも、グループ・リーダーの手腕だが
僕から見ると、彼はまだ若すぎた。
和君たちへ仕事を与えていたプロジェクト・リーダーは
和くんたちの仕事が遅々として進まないので
そのプロジェクトを、和くんたちへ任すのを止めて
僕のところへ解析を依頼する、と言って来た。
僕は困った。
解析は簡単だ。正しい結果を出せば良い。
だが、そうすると.......
和くんたちが「仕事を失敗した」と言う事になる。
研究者として、失敗は許されない事だ。




