結婚してる
.....何考えてるんだ、妻帯者のくせに。
そう思った。僕は旧いのかもしれないが
生物社会学的に見ても、ヒト種と他の霊長類の隔たりは家族の有無だけだ。
だから、家族制度を守らなくてはヒトではなくなってしまう。そう思った。
でも,僕もそう言っては硬くなり過ぎてしまうので、お茶らけでMLにこう書いた。
僕@ML>そう、じゃ、飲み会ん時は誘ってあげるといいね。
マドンナさんみたいな衣装着て。ひとさし指でくいっとカモーン(^^)
Like a virgin ~♪ヘィ みたいな感じで。
誘われてみたいわ、ハハ。
.....と、書いてからまた、しまったと思った。
誘われてみたいわ、ハハ。
の、部分が、また誤解されそうな感じ(笑)
もう、この頃になると彼女も、こういう冗談を僕が言ってもなぜか怒らなくなった
(恥かしそうにはしていたが)。
だから、まあいいか、なーんて思っていたが......
ずっと後で聞いた話だが、このカッちゃん、彼女のことが本当に気に入ってしまっていたらしく
それで、何かあって。
会社に出てくるのが嫌になったらしい。
何を軟弱な、と思うが、割とこういう我侭な男はガリ勉に多い。
所帯持ちのクセに、何考えてるんだ。
と、僕は思った。無責任な。と。
このカッちゃんは,結局会社を辞めていくのだが....
学歴とか見てくれで男は測れない、と言う良い例である。
(まあ、分析の心得があれば顔をみれば大体解るのだけれど)。
これもずっと後で人づてに聞いたのだが、カッちゃんはその彼女に
まったく相手にされなくて(当然だ)。我侭からキレてしまって
会社に出てこなくなった、とか....いう話だ。
....女の子ってのもタイヘンなんだなぁ。と
僕は改めて、守ってやらなきゃな、と(別に彼女だから、と言う訳ではなく)
思うのだった。
もちろん、彼氏が居ればそれはそいつの仕事だが........。
*You make me feel like dancing(恋の魔法使い)/Leo Sayer*
11月を迎えたある日、MLグループ全員で工場見学をする事になった。
それで、新しい靴が貰えた。
彼女たちの居るプロジェクト・ルームに僕は新しい、黒い靴を履いてゆく。
もちろん、上着はお揃いの制服だが、僕はわざと一番大きなサイズを貰った。
なんとなく、ダブダブの上着が好きだったからだ。
ちょっと、包まれたい気持ちもあったし、HipHopっぽい感じも出そうだった。
それで、制帽もアポロキャップタイプの紺、いちばん大きいのを頼んだんだ。




