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Calender_Girl  作者: 深町珠
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my sweetness


真中にあるディスカッション・スペースに,彼女は一人で座って

イメージボードに付箋を沢山貼っていた。


真剣そうな顔を見ると、やっぱり研究者なんだなぁ、と僕は

妙に感心したりした(笑)。


ちょっと見、頼りなさそうな女の子にしか見えないんだけど.....



僕はにこにこしながら近づいて、すこし肩の力を抜かせてあげようと思い


「お や....ち よ が み で す か....?」と、間延びした感じで言った(にこにこ)。


彼女はマジメそうな顔で「チガイマス。」と言いながら、でも,目は笑っていた。

仕事してるんだから。そういうケジメのある彼女は、なんとなく好ましく思えた。



でも、僕は、それじゃぁ肩凝るだろう、と思って「いいねぇ,女の子らしくて」と

にこにこしながら言った。


彼女は、付箋を貼る手を止めて僕を見る。



その付箋が、すこし開けられた窓から流れてくる高原の風に揺られて

さらさら、とふるえた。



「....(付箋が)....綺麗だね、とっても....。」そう言うと、彼女は



なんか俯いてしまった。手は止まったまま....。



何?どうしたの?と僕は思った。



あ...ひょっとして.....




「....(キミが)....綺麗だね、とっても....。」



と、言ったと思われたのかな(笑)。流石に僕も恥かしくなって

その部屋を出た。


遠くのライティング・デスクの方で、MLグループのみんな、特に和くんとかは


「またやってるよ」とでも言いたそうな顔で僕らを見ていたので

(こないだの「九州の子」の話しの後だし)、なーんか困った展開だなぁ、と

僕は思って。でも、なんとなく華やいだような、暖かいような気持ちで廊下を

足早に歩いていった。


いつもなら、のんびりと歩いていくのだけれど。



大好きなリチャード・ティーがリードを取る「My Sweetness/Stuff」のイントロダクションの

ようなサウンドが僕のイメージ・フィールドにひろがった。


ふわふわ、とした音空間に、メタリックな響きがピン・ポイントで。




あ、My Swetnessって言っても、そういう意味じゃないですからネ(笑)。




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