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ふるさとは九州
「あ、そっか、九州だったよね、田舎」僕はふと気づいて。
彼女はにっこりと頷く。
「九州、いいよね。僕も時々旅行で行くんだけど。
大分とか、宮崎とか、熊本とか.....。」と言うと
彼女がなんとなく、不審そうな顔をするので
「あ、いやいや、オフクロが気に入っちゃってね。」なんて(本当の事だが)言った。
僕は、この頃旅行誌の外部ライターのバイトもしていたので
ついでに家族旅行をいっしょに、なんてやっていたのだった。
彼女はにこにこと「私も、時々いくの」なんて言った。
こういう口調って、ホントの叔父と姪みたいだな、なんて僕は思ってたのだ。
この時の僕は。
にこにこと愛くるしい表情のその子を見て、そう思うのだった。
僕はなんとなく、優しいハーモニーを思い浮かべていた。
それで、その日のMLには
こんな事を書いた。




