7話 四角関係!?
「へぇ~、大収穫っていうわりには更なる謎が出てきちゃった感じだね~」
学校からの帰り道、今日は愛衣も時間があるから一緒に大叔母さんの家に向かっている。
「そっちは何か情報あったのか?」
「眉唾物の噂っていえばいいのかなぁ。尾ひれがつきまくった噂とか昔過ぎて記憶があいまいな情報が多くって、どれが本当かわからないのよね」
「愛衣ちゃんがこれは! っていう情報はあったの?」
「そうね、おばあちゃんは頻繁にどこかへ行ってたらしいっていう情報はあったよ。これは会いに行きたいって手紙にもあったし、おばあちゃんは愛する人に会いに行ってたことは確実ね」
「じゃあ、やっぱり別に好きな人がいるのね……」
ここに来て、私は尻込みをしていた。胸がもやもやする。
「どうしたの? 野乃花」
「うんと、昨日おじいちゃんの手紙見つけたじゃない。おじいちゃんがあんなに熱烈におばあちゃんのこと好きなのに、おばあちゃんには別に好きな人がいたんだって思うとちょっと複雑で……」
「あら、ドラマではよくある構図じゃない。おじいちゃんはおばあちゃんの愛を勝ち取ったのかもしれないわ。それか、おじいちゃんにも別に愛する人がいた可能性も――」
「四角関係!?」
おじいちゃんにも別に好きな人が!? だとしたら私はおじいちゃんの好きな人も見つけなきゃ……?
「お前ら現実見ろよ……」
「現実の方がもっと複雑かもしれないわよ。今風ならきっと同じ人を好きになってた。とかもあるわけなんだし」
頭混乱してきた……。
「とにかく、まともな情報がないことがよーくわかった。妹さんの話聞いてダメならまた別の方法を探そう」
「う、うん」
そうだよね。勝手に想像して決めつけないで、真実を見つけなきゃ……!
私は、大叔母さん――ミサおばさんの家のチャイムを鳴らした。
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