3話 おばあちゃんに突撃いんたびゅー!
私は手紙の衝撃のままにおばあちゃんの部屋に突撃したことを思い出す。
「おばあちゃん!」
「まあまあ、ののちゃん。元気ねぇ、どうしたの?」
おばあちゃんの部屋はいつものようにいろいろなものが置いてある。広くはないけど、おばあちゃんはよくここで習字をしたり編み物をしたりしている。
机に向かって書き物をしていたおばあちゃんがにこにこと私に顔を向けてくる。けど、私の手に握られている手紙を見て顔色を変えた。
「これ、この手紙なに!?」
「そ、その手紙――っ!?」
「これっておじいちゃん宛てじゃないよね!?」
「の、ののちゃん落ち着いて。そのお手紙はおばあちゃんの大事なものだから、ね?」
「じゃあ、やっぱり……」
おばあちゃんの手紙だったんだ。
「この手紙ことはおじいちゃんには絶対に話さないでちょうだい。お願いだから」
「う、うん。わかった……」
おじいちゃんに隠しておきたいんだ。それほど大切な思い出……好きだったんだな、その人のこと。
胸がきゅっとなって、なんでか少し寂しくなった。
「ねえ、おばあちゃん。この手紙に書いてるお慕いしてる人に……その、会いたいと思ったりしない……?」
「あら……ふふ、いつもお逢いしたいと思ってるわよ」
「ほんとに!? 会えたらうれしい!?」
「ええ、とってもうれしいわ。ずっと一緒にいたいと思ってしまうもの」
「……!」
そっか、おばあちゃんはこの手紙の相手に会いたいんだ。
やっぱりまだ……好きなんだ。
「おばあちゃん、私が会わせてあげる! 待ってて!」
「ののちゃん……!」
そのまま私は駆けだした。
「――って感じだったの」
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