2話 作戦会議を始めたいと思います!
「では作戦会議を始めたいと思います!」
私は、教室に残った幼馴染の久人と、親友の愛依に向かって大きく宣言をした。
「野乃花のおばあちゃん、こんな手紙書いてたんだ~」
「いきなり大事件ですとか言うから何かと思った」
愛衣は興味津々に私が持ってきた手紙に目を通している。さすが恋愛ますたー! 恋愛にはちゃんと反応してくれるの好き。
逆に久人はじと目で私を見てくる。
「大事件でしょ~!? あのあばあちゃんに他に好きな人がいたかもしれないんだよ?」
「でもさ、野乃花ん家のじいちゃんばあちゃんめっちゃ仲良しじゃん。そんなのねぇって」
「じゃあ、これは誰宛てなのよ!」
「知るか。つか、野乃花のばあちゃんが書いたもんじゃないかもしれないだろ」
「おばあちゃんのだよ! おばあちゃんに直接聞いたんだから!」
「お前……もうひとりで突っ走った後だったのか?」
久人ははあ、っと息を吐いてからバックからごそごそとノートとペンを取り出す。
「とりあえず情報整理しよう。野乃花は話す順番バラバラすぎるし、猪突猛進ですぐ勘違いするから」
「なんだかんだですーぐ野乃花のいうこと聞いちゃうよね、久人くんは」
「うるせー、協力しねぇとこいつあらぬ方向に行って収集つかなくなるだろ」
やっぱり久人も協力してくれるみたいだ。
「ありがとう! 頼りにしてるよ、唯一のミステリー研究部!」
「ミステリー小説が好きだからって変なあだ名つけられてんのほんと意味不明」
「昔はそういう部活あったらしいけどね~」
雑談をしながら久人はノートに状況をまとめていく。
「汚れて読めない部分もあるけど、これが恋文なのは間違いない、な?」
「そうね、手紙で気持ちを伝えるっていうのは昔からの定番でもあるし、内容も熱烈なラブレターって感じがするわ」
「こんな風な恋してみたいよね~」
「恋に恋するお年頃よね、野乃花は」
「もー、同い年でしょ。愛衣も」
愛衣とはよくドラマや少女漫画について話すし、私がそういうのに憧れがあるっていうのはよくわかってるんだよね。
「うーん……宛先は擦れてまったくわかんねぇなぁ。差出人は本人にも確かめてるから野乃花のばあちゃんであることは間違ない。っと」
私と愛衣が恋愛について話込みそうになってると久人がノートをペンで叩いて話を戻してくれる。
「野乃花、おばあちゃんにこの手紙のこと聞いてきたんだよね? 宛先わからなかったの?」
「それが……」
私は手紙の衝撃のままにおばあちゃんの部屋に突撃したことを思い出す。
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